2016 Fiscal Year Research-status Report
ナノセラミック触媒による二酸化炭素からのナノカーボン創製
Project/Area Number |
15K12261
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大場 友則 千葉大学, 大学院理学研究科, 准教授 (80406884)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 二酸化炭素 / セラミック / 吸着 |
Outline of Annual Research Achievements |
主要な温暖化ガスの二酸化炭素排出量の増加により、地球温暖化が加速的に進んでおり、二酸化炭素分離除去技術の構築は最重要課題となっている。 本研究では数ナノメートルオーダーの粒子径を有するチタン酸バリウムナノ粒子を創製することにより、室温付近の温度領域で極めて高い二酸化炭素吸収を示す固体吸収材を開発することを目的に研究を行っている。 チタン酸バリウムの活性炭素繊維中での水熱合成、バルク中での水熱合成、固相反応法による合成によって、それぞれ1 nm, 10 nm, 1000 nmの粒子径を有するナノセラミックの創製に成功した。 これらに対する二酸化炭素吸着量を273-363 Kの温度範囲で調べたところ、1000 nmの結晶性のセラミックでは吸着量が極めて小さいのに対し、1, 10 nmのナノセラミックでは、その100倍程度二酸化炭素を吸着することが明らかとなった。 また、ナノセラミックのナノ空間中への吸着密度で比較すると従来の細孔体のレコードバリューと同程度の吸着能を示した。 通常みられない二酸化炭素の吸着ヒステリシスを有することから、二酸化炭素と強い相互作用を持っていることが明らかとなった。 一方で、個の吸着ヒステリシスは低圧側では閉じ、十分に脱着することから、化学吸着と物理吸着の中間の性質を有することが示唆される。 さらに、従来の細孔体は二酸化炭素の吸着温度が上がるとその吸着密度が著しく低下するのに対し、このナノセラミックは60℃程度の高温領域においても吸着量が大きく減ることなく、維持することのできる強い吸着ポテンシャルを有していることが示唆された。 これらのことから、本研究で創製したナノセラミックは二酸化炭素と強い相互作用を示し強く吸着するが、二酸化炭素を脱離させたいときは減圧させるだけで脱着させることのできる理想的な材料である。ことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノメートルからマイクロメートルオーダーの異なるサイズのチタン酸バリウムセラミックの合成に成功しており、その特異的な吸着特性を見出している。また、X線構造解析により、二酸化炭素固体様の構造が発現されていることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
高い吸着特性が見出されており、極めて強い吸着ポテンシャルを有していることが明らかとなっている。 この特性を利用し、今後触媒的反応特性の評価を行っていく。
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Research Products
(17 results)
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[Presentation] Water confined in carbon nanotube2017
Author(s)
K. Shimizu, Y. Oya, and T. Ohba
Organizer
The 5th Symposium on Challenges for Carbon-based Nanoporous Materials
Place of Presentation
信州大学(長野県・長野市)
Year and Date
2017-02-22 – 2017-02-22
Int'l Joint Research / Invited
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