2015 Fiscal Year Research-status Report
未利用バイオマスを活用した環境学習「火遊びプログラム」の開発と実践
Project/Area Number |
15K12271
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
西城 潔 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (00241513)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 未利用バイオマス / 環境教育 / 火 / 炭焼き |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、未利用バイオマスを活用した環境学習「火遊びプログラム」の開発段階であり、研究代表者と2名の研究協力者、1名の研究補助者の体制のもと、1.火遊びプログラムの暫定案作成と、2.プログラム開発に関わる試行実験と情報収集、3.成果発表を行った。各研究実績の概要は以下に記す通りである。 1.火遊びプログラムの暫定案作成 年度当初、主として小学校での活用を想定した火遊びプログラムの素案を研究代表者が作成した。その内容について、学習指導要領や学校現場の実情、及び燃焼に関わる技術面といった観点から、研究協力者が評価・修正を加えた。また年度末には、2.に示す試行実験や情報収集の成果も加味して、小学校向け火遊びプログラムの暫定案をまとめた。この暫定案は、次年度の協力校でのプログラム実践の土台となるものである。 2.プログラム開発に関わる試行実験と情報収集 研究代表者が担当する大学の授業を利用し、火遊びプログラムに盛り込む活動に関わる試行実験を行った。具体的には、大学生に放置竹林(未利用バイオマス)の伐採と加工・利用を行わせ、その結果をふまえて、小中学生でも実施可能な活動内容について検討した。また仙台市・名取市の2つの小学校にて出前炭焼き授業を行った。さらに研究協力者と研究補助者とで、出前授業における児童の感想とりまとめ、小学校での教科学習(社会・理科・家庭科等)でプログラム化できそうな活動についての情報収集と立案、その実現可能性を見極めるための検証実験などを行った。 3.成果発表 本研究計画の発端となった、未利用バイオマスを活用した環境学習に関する研究代表者のこれまでの取り組みについて、東北地理学会および日本環境教育学会東北地区懇談会において、研究発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の目的は、火遊びプログラムの素案を作成するとともに、試行実験とカリキュラム面・燃焼技術面からの検討を加えて、小中学校における火遊びプログラムの暫定案を作成することであった。「研究実績の概要」に記した通り、小学校向けの学習プログラムについては暫定案を作成することができたので、進捗状況はおおむね順調と判断した。ただし中学校向けには、学習プログラムを作成することができていない。しかしながら、研究協力者との協議や小学校での出前授業等を通して、教科の専門性・独立性が顕著になってくる中学校よりも、教科横断的な取り組みの容易な小学校の方が、火遊びプログラムの実践には適していることが判明してきたので、進捗状況の評価上、この点は大きな問題ではないと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
『現在までの進捗状況』にも記した通り、教科の専門性・独立性が顕著になる中学校よりも、学級担任制で教科横断的な取り組みの容易な小学校の方が、火遊びプログラムの実践に適していることが判明してきた。そのため、今後は小学校向けの学習プログラム開発に絞って研究を進めたいと考える。ただし教科横断的な取り組みが比較的やり易いとはいえ、教科でも活用可能な学習プログラムであれば、小学校でもより実践は容易なはずである。そのため、環境教育の枠にとどまらず、社会・理科・家庭科などの教科でも実施可能な学習プログラムの開発を目指したい。
|
Research Products
(2 results)