2016 Fiscal Year Research-status Report
共有林の保護・再生と中山間地域の人口流失抑制・人口流入
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15K12279
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
金光 寛之 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (90514258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 寿章 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (40208202)
大澤 正俊 横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (50305463)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 共有林 / 群馬県高山村 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度では群馬県高山村での実態調査の中でも共有林の権利に関係、特に所有権に関する歴史的調査を明治初期からの土地台帳を使い入念に調べ上げた。 その結果、明治初期から戦後までの間では群馬県の高山村の林は単独所有が多かったことが見受けられた。これに対して戦後以降ではこれらの林は単独所有から共同所有に変化しつつあることが見受けられた。これらの背景としては以下のようなことが推測される。①群馬県高山村から車の15分ほどの場所に上越新幹線に駅である上毛高原駅が存在するため、村民の間では群馬県高山村自体がリゾート地として発展するのではないかと考えられていたのではないかと思われる。②新幹線の駅ができたことに伴い、日本は高度経済成長やバブル経済などで地価が上昇し財産的価値があると思われたのでないかと考えられる。③群馬県高山村の近隣には大学があり、学生の町として開発される可能性があると考えられていたのではないかと思われる。 上記の背景が考えれられる理由としては、共有林の権利関係を登記簿の記載で見る限りだと通常では相続による権利の取得が考えられるの対して、群馬県高山村では相続のみならず売買契約等が多くあることから推測される。 このように登記簿や土地台帳を調べることで、またはヒアリング調査を行うことで単に法律論ではなく、なぜ共有林の権利関係が、このように構成されるかなるのかについて 調べあげることが可能となる。そしてこのような理論と実体の違いを考察することが本研究の重要性等であると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究では各地の共有林が存在する場所で出向き多くのヒアリング調査を行うことが目的であったが、残念ながら研究計画の通りのヒアリング調査は行われていない。そのため論文発表が遅れているのも事実である。ただし文献を研究することによる海外(特にイギリス)との比較については予定以上の進歩はあると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策としては、夏季休暇等に様々な場所に可能な限りヒアリング調査を行う。本研究に関わっている3名の研究者は関東近郊在住であるため、関東を中心としたヒアリング調査の実施となってしまうが、可能な限り関東以外の場所についてもヒアリング調査を行う予定です。またヒアリング調査の結果をデータベース化した上で共有林の権利関係の現状を分類した上で人口の流入等の関連性についても検討をする予定である。 若干の課題としては本研究に携わっている3名の研究者が全員揃って調査に出向くことが困難であることが多いが、そのことについては連絡を密にして上で対応したいと考える。
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Causes of Carryover |
昨年度で使用不可能であった旅費を今年度で使用する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
夏季休暇等で可能な可能な限りにおいてヒアリング調査で使用をする。 また海外文献等の購入も行う。
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