2015 Fiscal Year Research-status Report
食品ロスへの関与による若者の認識変化とその社会的影響に関する研究
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15K12283
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
福岡 雅子 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (70460764)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤倉 まなみ 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30458955)
花嶋 温子 大阪産業大学, 人間環境学部, 講師 (90289512)
岡山 朋子 大正大学, 人間学部, 准教授 (20418734)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 食品ロス / 大学生 / アルバイト / 食品廃棄物 / 食品関連事業所 / 環境教育 / 質問紙調査 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、1)業務として食品廃棄作業をする若者などの現状を明らかにして環境教育や食育を扱う教育現場に警告し、事業者に食品ロスの改善の提言を行うこと、2)それにより、社会におけるESDの推進に貢献し、日本の食品ロスの削減に寄与することである。平成27年度は文献等で情報収集しつつ、次のA~Cを行った。 A)食品関連事業所でのアルバイト内容に関するグループインタビュー・・・Bの質問紙調査を設計する基礎情報として、研究メンバーが指導する学生から、食品小売業や外食産業におけるアルバイト時の食品廃棄作業の状況を把握した。 B)食品関連事業所でのアルバイト経験に関する質問紙調査・・・研究メンバー所属大学の学生に対して、アルバイト時の食品廃棄経験を問う質問紙調査を行った。未利用食品や食べ残しの廃棄作業時に何を感じているかについても調査した。1,352件の有効回答を得た。集計結果から、アルバイト経験者の61.2%が業務の一環で食品廃棄を経験しており、食品を扱う店舗での食品廃棄作業は学生アルバイトの一般的な仕事になっていることがわかった。食品廃棄経験がある学生が食品廃棄を最初に見たときの気持ちは、驚いた36.6%、モヤモヤした25.0%、悲しかった24.6%など(複数回答)であり、何も感じなかったと答えた学生は22.7%であった。約7割の学生が食品廃棄をもったいないと感じているが、一方で、衛生管理面で食品廃棄業務は必要だと考える学生も6割を超えていた。食品廃棄業務で捨てることが平気なった学生は1割であった。 C)事業者及び関連業界に関するインタビュー調査・・・アルバイトを雇用して事業活動を展開する食品関連事業者及び食品廃棄物対策・食品ロス削減のための啓発事業等の知見を有する流通・マーケティング分野の公益財団法人の食品部門担当者を対象に、食品関連業界の状況について聞き取りを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
直接面会して議論する会合を3回開催した他、インターネットを介したオンラインミーティングや文書のやりとりにより、適時の研究進行を行うことができた。調査票の作成や集計における役割分担を機能的に行うができたことも、円滑に研究を進めることができた要因だと考える。 3回の会合においては、初回(5月16日)に研究内容の確認及びアンケート調査票の設計を中心とした研究内容の実務的検討、2回目(9月1日)にアンケート結果の速報及びインタビュー結果から得られた知見についてのディスカッション、3回目(1月28~29日)に調査結果の報告と結果を受けた考察及び研究発表先等の検討を行った。 当初計画では、平成27年度に自治体の啓発事業及び食育、食品廃棄に関する環境教育実践事例インタビュー調査を行うものとしていたが、文献やWebサイト等である程度の情報が得られたため、自治体への直接的な調査は行っていない。その代替として、平成28年度の調査対象である事業者へのインタビューを前倒しして行った。また、業界や自治体の対応を網羅的に把握している流通・マーケティング分野の公益社団法人の食品部門担当者にインタビューを行った。これらにより、研究テーマをめぐる社会的状況の把握も行うことができ、その結果、議論に拡がりが備わったものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、当初計画どおりの研究展開を目指す。 ただし、インタビューによって得られた知見から、当初計画で予定していなかった調査対象へのアンケート調査も有効だと予想されるため、調査対象及び調査方法の一部見直し・追加を行うものとする。 その他の研究進捗状況には大きな課題はないが、首都圏2名と大阪圏2名で物理的隔たりがあるため、頻繁に面会して議論できない。それについては、平成27年度と同様に、インターネットの活用によって補っていく。
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Causes of Carryover |
次年度にアンケート集計ソフトウェアを入手するため、資金を保留した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
桜美林大学への平成28年度の配分額を計画より減額し、大阪産業大学においてSPSS統計パッケージの最新版入手費用の一部に充当する。
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Research Products
(2 results)