2016 Fiscal Year Research-status Report
働く場の境界のデザイン:バウンダリーオブジェクトの実践的モデル化と多角的効果検証
Project/Area Number |
15K12288
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
仲 隆介 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (10198020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 庸二 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (10299133)
松本 裕司 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (60379071)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バンダリーオオブジェクト / 場のデザイン / コミュニティデザイン / 行動センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
<実験候補地の決定> 当該年度は、実験候補地の決定に時間を要した。最適な候補地が二つ見つかり、どちらがより実験に適しているかを、実地調査と想定される実験とのマッチングから比較した。一つは、浅草橋にある「Un.C」というコワーキングスペースであり、もう一箇所は、横浜の防火帯建築に作られるコワーキングスペースであり、最終的に、浅草橋にあるUn.Cを最適と判断した。その理由は、複数の組織が入居するため、バンダリーデザインの有効性を実験する場として最適であることに加えて、すでに、バンダリーオブジェクトと想定できるものが組み込まれており、効率的な検証が可能になると考えた。 <バンダリーオブジェクトデザイン> 以下の二つのバンダリーオブジェクトのプロトタイプをデザインした。 ・ラウンジファニチャー これまでのオフィス家具とは様々なディメンジョンが異なる家具をデザインし、ダンボールでプロトタイプした。このプロトタイプを複数に被験者に使ってもらい、使い方(姿勢、行為、チームメンバーの関係性等)のデータを取得中し、さらに継続中である。 ・コミュニティのデザインにも取り組んだ。食べていくための本業だけでなく、趣味や特技や何げない日常の営みが、市場を訪れるプロデューサーや観客たちの触媒作用によって、新しい価値をもたらすビジネスとなる場の構築をワークショップのかたちで試みる準備を進めている。 ・センサー技術を駆使して、ワークプレイス内の様々な活動や気持ち等の各種データが可視化されたマップづくりを試みている。何をどのように可視化すれば、バンダリを超えてつながりがうまれるかを検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで多くの試行錯誤を経て、概要に示したバンダリーオブジェクト(ラウンジファニチャー)のデザインを実現し、また、その評価を行うための実験を積みかさており、また、行動センシングの検討も進んでおり、概ね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
・ラウンジファニチャーの実験の残りの3回を行い、分析に入り、その効果検証を行う。 ・行動センシングで取得したデータの可視化方法を定める。 ・コミュニティの新たなつながりとバンダリーオブジェクトの関係性を分析する。 これらの知見をまとめ、バンダリーオブジェクトの効果モデル構築に取り組む。
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Causes of Carryover |
本研究のテーマである「バウンダリーオブジェクト」の社会実験を行う場所が、物件の都合で、入居開始が平成26年12月になってしまった。本オフィスは、建築空間を含む様々なバンダリーオブジェクトが、どのように異なる組織をつなぐ役割を果たすかを、我々が入居して観察調査をするのに最適な場所であり、社会実験を1年延期して実施する方が実りある成果が得られると判断し、研究期間を延長したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画のバンダリーオブジェクトの社会実験に関連する部分が遅れており、遅れ部分を1年遅れで、当初の計画通りに実施する。
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Research Products
(5 results)