2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12292
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
南 裕樹 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (00548076)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 泰伸 舞鶴工業高等専門学校, 建設システム工学科, 准教授 (60600848)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 光環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複数の照明機器および部分的な遮光が可能な窓から構成される「プログラマブル光環境制御システム」を提案し,光の加減算に基づく光環境制御手法を構築することを目的としている.具体的には,「目標となる照度分布が与えられたとき,システムが提供する照度分布が目標の分布とほぼ等しくなるように各照明のON/OFFと窓の透明度を制御する」という問題を考え,分散制御アルゴリズムを提案する.さらに,実験システムを製作し,評価実験を行う.
これに対し,本年度は以下の成果を得た. 1.光環境制御問題に関する情報収集を行った.2.光の加算により照度分布を制御するアルゴリズム(照明機器の点灯・配光パターン制御手法)を提案した.そして,実験検証を行い,提案手法を用いることで,照度制御がある程度適切に行えることを確認した.その一方で,より正確な照度制御を実現するためには,照明機器の正確な配光モデルを考慮した制御アルゴリズムの構築が必要であることを認識した.3.光の形状を変化させることで照度分布を制御する問題を検討し,予備実験を行った.また,光の形状を変化させることで移動ロボットを誘導する新しい問題に取り組んだ.4.遮光可能な窓のプロトタイプを作成し,光の減算の効果を簡易実験により検証した.5.照明システムの評価を行うための準備として,建築物の視察を行うとともに,明るさの知覚に関する予備実験を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた光の減算に関する制御アルゴリズムの構築がやや遅れている.これは,実験装置の製作に時間を要したためである.しかし,プロトタイプによる予備実験は実施済みであるので,予定通り研究が進められると考えている.一方,光の加算問題に対する制御アルゴリズムを提案している点,および光の形状制御に関する問題に取り組んだ点,は当初予定していなかったものである.これらについては,計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の成果を基礎とし,光の減算に対する制御アルゴリズムを構築する.まず,実験装置を完成させる.そして,実験を通して,窓の遮光パターンと陰影の関係をモデル化する.さらに,制御アルゴリズムの構築とその有用性の実験検証を行う.
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Causes of Carryover |
論文の掲載時期が次年度となったため,次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度掲載される論文の掲載料に使用する.
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