2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring Archetypes of Spatial Schema through Spatial Experiences Involving Embodiment
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15K12295
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
篠崎 健一 日本大学, 生産工学部, 准教授 (80612613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 晴行 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (50313341)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 空間図式 / 空間構成 / 語り / 写真日記 / 生活 / リビングラボ / 伊是名 / モン |
Outline of Annual Research Achievements |
空間図式の身体的原型の探究のために,1)個別の課題による空間図式の抽出を繰返し,2)空間図式の探究方法の探究を進化させた. 1)はa)伝統的民家や集落空間の構成とb)生活者の語りに現れる空間図式を探究した.a)では伝統的民家と民家の立地環境(地形)の関係に現れる空間図式を明らかにした.これは民家の突出部分の系統的分析による民家の形態の遷移や,信仰や生活行為と空間構成の秩序に現れる空間図式の探究に発展する.伝統的民家や集落空間における上下,前後や,容器の空間図式の現れについて論考した.これは文化的空間における空間図式の現れによる探究の可能性を示す.b)生活者の語りに現れる空間図式は,伝統的民家の一番座・二番座と雨端の特徴を空間図式でとらえた.生活者の語りから民家改変の特徴を空間図式として抽出する可能性を指摘できる. 2)探究方法の探究は,臨地調査(伊是名集落,ゲオパトゥ集落,ユダヤ博物館など)により空間図式を抽出する方法として用いている写真日記について,その実践手法と理論的根拠を盤石にするために「写真日記ブートキャンプ」と称するワークショップを臨地にて繰返し,写真日記を用いた調査・記録・発想の実践手法を更新するとともに,写真日記における写真,事実の記述,解釈の記述,経験の記述を理論的に関係づけるフレームワークを,モデル理論的意味論や意識と心身問題に関する既往の知見を踏まえて改良した. 3)伊是名集落にリビングラボ(臨地研究室)を設け研究,滞在拠点とし集落生活に参与した研究深化を試みた.集落のアサギと呼ばれる共有祭祀空間の空間構成と祭祀行為,語りに基づく空間図式の現れを論考した.フィールドに密着する空間図式の探究(学術的な知の探究)は,住民が抱える現実的な課題の発見と探究(臨床的な知の探究)につながり,伝統的民家や集落空間の継承と集落の活性化という官学共同の新たな探究課題を見出した.
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Research Products
(8 results)