2015 Fiscal Year Research-status Report
オンラインコミュニティにおける複眼的情報援助モデルの構築
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15K12306
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
飛田 国人 大阪府立大学, 現代システム科学域, 准教授 (40465919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 亘 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (20167258)
野津 亮 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40405345)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オンラインコミュニティ / 衛生 / 労働 / 情報援助 / 生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
情報通信技術が発達した今日、オンラインコミュニティには電気機器の使い方から人生相談まで、多様な質問と回答が投稿されている。これらの投稿情報は、人々がどのような援助を求めているかを知る手がかりとなり得る。本研究は、オンラインコミュニティへの質問投稿者が有する問題・悩みが回答者による如何なる情報援助により解決されるかを明らかにすることを目的とする。平成27年度は以下の項目に関して研究を行った。 (1)オンラインコミュニティに投稿された質問を対象に、熱中症に関する質問内容の主語、場面、要点の観点から分析した。質問の要点では対策、症状、診断、対応において100件を超える投稿があった。主語がない質問では場面の明示がなく、原因や用語などの熱中症の知識に関心がある通有性の高い質問が多かった。少年では学校についての投稿が多く、不特定の人に関心がある通有性が高い質問が多かった。乳幼児では年齢や性別、状況を詳述した質問や、車内の熱中症などの特有性の高い質問が多かった。 (2)仕事や職場における問題解決や苦情に関するオンラインコミュニティでの回答で示唆される対処行動の方略を分析した。対処行動を対話、対決、待機、無視、退去、自己責任、その他の7つに分類したところ、対話が最も多く、ネット上でも積極的な対処が提案されていることを示していた。次に多いのは待機であり、積極的な働きかけが有効ではないという助言が多いことは発見であった。また、退去と対決も一定の割合を占めており、転職が重要な選択肢であることを示していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱中症に関する質問を分析し、年齢や場面と市民が必要とする熱中症情報との関連が示すことができた。結果については査読付きの学会誌にて発表することができた。また、質問に対応した回答については、分類カテゴリの作成を完了し、分類を行っている。 労働に関する投稿では、質問と回答の分析が進んでおり、対処行動の分類を行った。また、質問の種類と対処行動の関係を考察し、学会での発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
熱中症に関する質問と投稿を対応させ、質問が取り上げた熱中症発症者の年齢や場面に応じた情報援助について考察を行う。労働に関する内容では、すでに質問と回答を対応させて分析を進めており、より詳細な解析を行う。 また、学会等での発表のため、成果を論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
データ分類のために必要なアルバイトの勤務日が、予定よりも少なくなった。また、データ分類の進捗に合わせ、データ解析用PCを次年度に購入することにしたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に、データ解析補助者の人件費、データ解析用PCの購入、学会等参加のための旅費として使用する。
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