2015 Fiscal Year Research-status Report
国際移動家族におけるマイノリティへの意識の変化ー移動前と移動後の経時比較
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15K12310
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Research Institution | Kobe Shoin Women's University |
Principal Investigator |
竹田 美知 神戸松蔭女子学院大学, 人間科学部, 教授 (00144634)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際移動家族 / マイノリティーへのイメージ / 海外赴任 |
Outline of Annual Research Achievements |
インタビュー調査に先駆けて、国外における調査地であるニュージャージー、シカゴ近辺の人口構成、日本人の居住状態、経済状態、教育状態などについてパイロット調査を行い調査地の地理的特徴、歴史的背景を明らかにした。 2015年11月末には、シカゴの日系自動車部品製造会社の海外赴任者をパイロットインタビュー被験者として、スノーボール方式でインタビューを実施した。インタビュー対象者は海外赴任経験者と初めての海外赴任体験者であった。海外(シカゴ)に在住する国際移動した3家族に対して半構造化面接をした。インタビュー記録をテープ起こしをしして、現在分析している。 過去に海外赴任をした回数、職階、家族帯同かどうかで、現地での職場における現地人との人間関係、地域での現地人との人間関係、同伴家族の地域での現地人との人間関係、現地での日本人との交流状況、差別体験の場所、時期、状況など、現地のマイノリティ差別に対する意識、差別問題に対する対処方法、人的資源、対処機関などが異なることが明らかになった。 さらに「国際移動家族」に関しての文献から、移動に関しては、言語修得状況、時間(滞在時間、依然の赴任期間、赴任後の経過時間)、空間(赴任した国、日本からの距離など)によって、移動した家族の海外体験に対する主観的意味づけが異なることが明らかになった。分析においてはこれらを軸としてインタビュー事例を分析する。 今後、パイロットインタビューをした3家族と連絡を取りながらさらに分析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビュー被験者の確保についてはおおむね順調に確保ができている。学務の都合で海外でのインタビューのタイミングが難しいところはあるが、長期の夏休みや春休みを利用してアポイントを取り、被験者確保に努めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目については、海外(ニュージャージ州)に在住する「国際移動した家族」に対して半構造化面接を夏休みに計画している。 また、国内に居住する海外赴任を経験し帰国した日本人家族を対象として、日本に居住するマイノリティのイメージの変化をパイロットインタビュー調査によって明らかにする。このインタビュー調査から国際移動した家族が海外赴任先でどのように地域社会に溶け込み、また人間関係を築いたか、さらに帰国してから現地での人間関係をどのように継続し、またその経験を生かし国内のマイノリティの立場の理解につながったかを明らかにする。
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Causes of Carryover |
インタビュー調査に先駆けて、国外における調査地であるニュージャージー、シカゴ近辺の人口構成、日本人の居住状態、経済状態、教育状態などについてパイロット調査を行い調査地の地理的特徴、歴史的背景を明らかにする計画であった。シカゴへの予備調査と一部のパイロットインタビュー調査は実行できた。しかしシカゴで、パイロットインタビューが可能であることが判明したのでシカゴの滞在期間を延ばした。その結果、ニュージャージーへの予備調査渡航をを延期した。そのため渡航費を繰り延べすることになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ニュージャージへの予備調査とパイロットインタビュー調査を滞在期間を延長して本年度行う予定である。そのため次年度への繰り越し額をニュージャージ―への旅費として使用する計画である。
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