2017 Fiscal Year Annual Research Report
The elucidation of taste coding mechanisms based on imaging techniques
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15K12322
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 晋治 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任准教授 (50376563)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 味覚 / カルシウム / 細胞応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、味覚受容機構解明の基盤となり、また、様々な味物質・非味物質で構成される食品の味の総合的な評価を実現する解析系の構築を目指したものである。解析系としては細胞応答を細胞内Ca2+濃度上昇としてモニターするCa2+イメージング解析系を選択した。 昨年度までの研究報告のように研究遂行上の問題が発生したため、当初の計画計画から大幅に予定を変更して実施した。具体的には、Ca2+感受性蛍光タンパク質遺伝子の導入方法を計画より変更して、各種ウイルスによるCa2+感受性蛍光タンパク質遺伝子の導入などいくつかの方法を検討した。その結果、Ca2+感受性蛍光タンパク質遺伝子を味蕾細胞に発現する複数系統の動物の作製に成功した。これらの動物を用いて、遺伝子導入によって味蕾細胞に発現したCa2+感受性蛍光タンパク質の蛍光観察による味蕾細胞の味刺激応答のイメージングを試みた。結果として、基本味の1つを呈する味溶液の刺激によって、わずかであるが有意に味蕾細胞における蛍光の変化を観察することが出来た。つまり、味刺激に対する味蕾細胞の応答を観察できた。 このように、本研究により構築した解析系によって、食品の味の評価が可能になることが示唆された。今後は、解析系の諸条件それぞれを検討し、観察の条件を確立する。そして、基本味全てを評価でき、さらには、食品そのものの味を客観的に評価できる解析系を構築したいと考えている。
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