2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a screening system to select cancer preventive ingredient based on a new carcinogenesis theory
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15K12329
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
矢野 友啓 東洋大学, 食環境科学部, 教授 (50239828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋美 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (30506887)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 前立腺癌 / 癌幹細胞 / 癌予防・治療 / 低酸素条件 / ファイトケミカル |
Outline of Annual Research Achievements |
ビタミンE同族体の中で一番抗がん活性が高いdelta―トコトリエノール(T3)を90%以上含んだアナトー由来T3(AT3)を使用して、ホルモン非依存性前立腺癌細胞LNCaPおよびホルモン非依存性前立腺癌細胞PC3から濃縮したがん幹細胞に対する効果を検証した。その結果、AT3処理により前立腺がん幹細胞の低酸素分圧適応が有意に阻害されると同時に、PC3由来のがん幹細胞画分をヌードマウスに移植したモデル実験においても、AT3による造腫瘍形成能の抑制が認められ、in vitro 及びin vivoの両方の系において、AT3の優れた前立腺がん幹細胞抑制作用が示された。次にAT3による前立腺がん幹細胞の低酸素適応阻害作用機序の解析を行った。まず、低酸素応答機構の重要な因子であるhypoxia-inducible factors(HIF-1alpha, HIF-2alpha)レベルに対して、AT3は抑制効果を示した。また、HIFsシグナル系の上流に位置し、HIFsを安定化させることが知られている非受容体型キナーゼ(SFKs)の活性化をAT3が抑制することが示され、AT3による前立腺がん幹細胞の低酸素適応阻害作用機序の1つとして、AT3によるSFKs活性化抑制を介したHIFsの不安定化が関与していることが推測された。その推測はSFKs阻害剤(PP2)を使用した研究結果からも裏付けられた。最後に、HIFs特異的な阻害剤を使用して、AT3による前立腺がん幹細胞の低酸素適応阻害作用にHIFsのどちらの分子種が関与しているか検討したところ、HIF-1alphaが関与していることが明らかになった。以上の研究結果をまとめると、本研究を通じて、前立腺がん幹細胞を標的にした前立腺がん予防食素材のスクリーニングシステムが構築できたと結論付ける。
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Research Products
(6 results)