2017 Fiscal Year Annual Research Report
Inquisition of cytokines and chemokines in breast milk involved in the development of immune function in neonate and the elucidation of the mechanism.
Project/Area Number |
15K12336
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
茶山 和敏 静岡大学, 農学部, 准教授 (30260582)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | CCL28 / TSLP / IL-7 / 胸腺 / 免疫細胞 / 母乳 |
Outline of Annual Research Achievements |
1年目及び2年目では、母乳中CCL28の存在とその新生児免疫機能の発達との関連について検討した。そこで、本年では、マウスの母乳を採取後、過去の論文で新生児の胸腺や脾臓、腸管における免疫機能の発達に関与している可能性が示唆されているThymic stromal lymphopoietin(TSLP)、およびIL-7の母乳中含有量を、初乳である出産1日目(出産日)、常乳である2日目、5日目、10日目の母乳を採取し、それぞれの含有量を測定した。その結果、TSLPとIL-7も母乳中に確認され、それらの含有量については、経時的な変化は見られないことが明らかとなった。 一方、新生児の免疫機能の発達に対する母乳中CCL28の役割についてより詳細に検討を行うため、CCL28ノックアウトマウス(28KOマウス)を作成して、新生児期の28KOマウスのフェノタイプを正常マウスと比較した。その結果、胸腺重量が28KOマウスで有意に大きく、免疫細胞の割合には変化がなかったが、その数が有意に少ないことが判明した。胸腺におけるCCL28の発現とその機能性に関する研究はこれまで報告されておらず、そのため、CCL28のみが欠損していることで新生仔マウスの胸腺中の免疫細胞数が少なくなることはまったく想定していなかった。またCCL28欠損による胸腺中免疫細胞数の減少の理由も不明なことから、今後、胸腺とその機能の発達に対するCCL28の役割について詳細な検討を行う必要があると思われた。 現在、TSLPおよびIL-7についても人工哺育実験を進めており、その結果が期待される。
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