2016 Fiscal Year Research-status Report
ガレクチン9分泌誘導を有した食品因子による新規アレルギー抑制
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15K12339
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 雅史 神戸大学, 農学研究科, 教授 (00212233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 堂史 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (90362764)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Ⅰ型アレルギー / フコイダン / 褐藻類 / ガレクチン9 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、食物アレルギーやアレルギー性鼻炎といったⅠ型アレルギーの患者数が増加している。抗原によって誘導される抗原特異的IgE抗体を介したⅠ型アレルギー反応において、肥満細胞の脱顆粒によってヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されると、気管支収縮や血管透過性の亢進といったアレルギー症状がもたらされる。そのため、脱顆粒を抑制することがアレルギー症状の軽減につながると考えられている。褐藻類由来の食物繊維として知られているフコイダンは、免疫応答を調節することが報告されている。マコンブに含まれているF-フコイダンを経口で摂取した際、生体内でどのような作用をするのかは不明な点が多い。本研究では、F-フコイダンの生体に対する機能性、特に免疫応答の異常に起因するアレルギー抑制効果を指標に、その作用機構について検討した。BALB/cマウス(雌、4週齢)にOVA/Al(OH)3を5日毎に2回腹腔内投与し、2度目の感作から9日後にOVA(2μg/匹)を尾静脈から投与することによりアレルギーを誘導した。肥満細胞の活性化によるアレルギー症状の指標として、OVA投与の10分後から90分間、直腸温度を測定した。さらに、直腸温度測定後の回腸上皮細胞でのガレクチン9 mRNA発現量を測定した。F-フコイダンの投与によって、肥満細胞の活性化により生じる直腸温度の低下が緩和され、またその低下した体温からもとの体温に戻るまでの回復時間が短くなった事から、F-フコイダン経口摂取によりアレルギーはしょうが抑制されることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アレルギー抑制効果については、血中IgE量の増加を指標とする実験系が多い中、本研究では直腸温度を測定することでも判断できることを明らかにした。このことは、今後新たな抗アレルギー効果の指標になり得る可能性を提唱できたと考えている。一方で、フコイダンの受容体については、模索状態のままであるため評価としてはおおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
フコイダンの構造特性から硫酸基が存在しているので、その部分に蛍光物質を付加したものを作成して、フコイダンと結合する細胞膜上の受容体を探索することで、フコイダンを認識する腸管上皮細胞に存在するフコイダン受容体を同定していく予定である。一方、抗アレルギー効果については、フコイダン刺激により血中に分泌されるガレクチン9が重要な物質であることから、ガレクチン9分泌機構についても道筋をつけたいと思っている。
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Causes of Carryover |
今年度予定していた「食品因子によるガレクチン9分泌促進による新規のアレルギー抑制方法の有効性の証明」に関して、フコイダンによる抗アレルギー効果に関してはその作用機序を含め概ね順調に遂行できたのに対して、ガレクチン9ノックアウトマウスが入手できていないことと、その代替として予定していたTA84培養細胞による証明も、予想以上にガレクチン9の検出に苦慮している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
フコイダンの構造特性から硫酸基が存在しているので、その部分に蛍光物質を付加したものを作成して、フコイダンと結合する細胞膜上の受容体を探索することで、フコイダンを認識する腸管上皮細胞に存在するフコイダン受容体を同定していく予定である。一方、抗アレルギー効果については、フコイダン刺激により血中に分泌されるガレクチン9が重要な物質であることから、ガレクチン9分泌機構についても道筋をつけたいと思っている。
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