2017 Fiscal Year Annual Research Report
Iron sensing and suppression of iron absorption in the duodenal mucosa.
Project/Area Number |
15K12344
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
篠田 粧子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (40132055)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鉄欠乏 / DMT1異性体 / 細胞内局在 / 鉄濃度感知 |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰鉄の摂取により鉄吸収が抑制される“粘膜ブロック”が、これまでの報告より極めて低濃度、短時間で見られ、サプリメント摂取でも誘発される可能性を報告した。この現象は鉄欠乏によって鉄吸収能が亢進した細胞でのみ認められ、反応の早さから粘膜上の鉄輸 送体DMT1の構造変化によると考えられる。DMT1には4種類の異性体が知られており、粘膜での安定性に差があると推察されているが、鉄吸収が促進から抑制に転ずるために小腸内の鉄濃度がモニターされる必要がある。本研究では、DMT1異性体の挙動を詳細に調べて“ 十二指腸粘膜細胞が鉄濃度をモニターする仕組み”の解明を目指している。4種類のDMT1異性体(DMT1A-IRE、DMT1A+IRE、DMT1B-IRE、DMT1B+IRE)では、-IREと+IREではC末端のアミノ酸配列が異なる。また、DMT1B はDMT1AのN末端のアミノ酸31残基が欠損している。鉄欠乏ではDMT1+IRE発現が亢進するが、DMT1+IREのみに鉄をモニターする機能があるか否か、定かではない。そこで、十二指腸凍結切片におけるDMT1異性体発現と細胞内局在、鉄投与に応答する発現や局在の変化について定量的に検討を進めている。小腸は他の組織に比べて極めて細胞の分解が早いことが分かり、免疫染色に使用可能な切片の制作に苦労したが、定量解析の品質に達することが出来たので、鉄欠乏が各種異性体発現に及ぼす影響と鉄投与が局在に及ぼす影響について解析を進めた。鉄投与開始から15~30分という短時間で粘膜から細胞質への移動が観察出来た。この内在化が特定の異性体に特有であるのか解析を進めている。
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