2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on relationship between vitamin nutritiona and oocyte quality
Project/Area Number |
15K12345
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
柴田 克己 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40131479)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビタミンB1 / 欠乏 / 卵子の成熟 / マウス / 卵子の質 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性の社会進出が進むにつれ,晩婚化や高齢出産率が増加傾向にある.申請者は,妊娠以前の段階,つまり卵子の質に注目した.卵子の質の劣化(減数分裂異常)は,不妊症,流産や染色体異常児の原因である.劣化した卵子を改善する方法はあるが,まだ人に応用できる段階には程遠い.それゆえ,卵子の質を劣化させないことが重要になる.卵子の質の劣化の原因には加齢があるが,食事もその因子である.ピルビン酸は卵子の成熟期の主なエネルギー源である.その代謝には特にビタミンB1が重要である.申請者は,飼料摂取量の低下を伴わない軽度なビタミンB1欠乏と飼料摂取量が低下した重篤な欠乏がマウスの卵子の成熟におよぼす影響について検討した.13日間のビタミンB1欠乏食投与では,子宮と卵巣中のビタミンB1量は既に枯渇していたが,対照群に比して,体重は低下していなかったので,穏やかなビタミンB1欠乏状態であると判断した.この状態では,卵子の成熟には影響しなかった.20日間のビタミンB1欠乏食投与では,対照群に比して,明らかに体重が減少したので,深刻なビタミンB1欠乏状態であると判断した.この状態では,卵子の成熟に悪影響を与えた.次にビタミンB1欠乏マウスに,ビタミンB1含有食投与してみた.その結果,卵子は正常に成熟した.これらのことから深刻なビタミンB1欠乏は,卵子の成熟には悪影響を及ぼすが,原始卵胞そのものには何ら影響をおよぼさないことが明らかとなった.
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