2015 Fiscal Year Research-status Report
新手法によるビタミン機能の解明:補酵素結合RNAの探索と機能解析
Project/Area Number |
15K12347
|
Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
濱田 俊 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (60282349)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 香世子 福岡女子大学, 文理学部, 研究員 (20448814)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | RNA / 補酵素 / リボザイム |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は計画に従い、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)・フラビンモノヌクレオチド(FMN)に結合するマウスRNAの探索を行った。 まずFADをNHS活性化セファロース・ビーズに固相化したカラムの作成を行った。FADがビーズに結合すると、カラムが黄色に着色することを利用し、FADを効率よく結合できるカラム作成条件を決定した。次に、FADと結合することがわかっている枯草菌リボフラビンオペロン由来のRNA(rib-leader RNA)を用い、作成したカラムと結合するかどうか検討した。rib-leader RNAと生後0日齢マウス全身組織から抽出したRNAとを混合し、カラムへ反応させた後、洗浄し、FMNによる競合溶出を行い、rib-leader RNAがカラムと結合することを確認した。さらに、rib-leader RNAの回収率が高くなるようなRNA結合緩衝液、RNA溶出条件等をリアルタイムPCR法により検討するとともに、非特異的にカラムへ結合するRNAを低減させるカラム洗浄条件を溶出されたRNAの電気泳動により評価して検討した。その後、マウスRNAのみをFAD固相化カラムに反応させ、結合したRNAを溶出・回収した。RNA増幅キットを用いて、この溶出されたRNAの増幅を行い、再びFAD固相化カラムへと結合・洗浄・溶出させた。このサイクルを数回繰り返したところ、数100塩基対付近にRNAの増幅が認められた。このRNAがFMNに結合するかどうか検討するため、得られたRNAとFMNを液相中で反応させ、ゲルろ過カラムを用いてRNA分画を分離し、その中に含まれるFMNを高速液体クロマトグラフィー蛍光検出法により定量した。その結果、得られたRNAはFMNとは結合しないことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補酵素と結合するRNAは同定できなかったが、予定した実験計画はおおむね実施できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
FAD・FMNに結合するRNAの同定に対しては、人工的なリボザイムの単離に用いられているSystematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment(SELEX)法を参考にして、実験計画を再検討する。また、FAD,FMNに結合する生体内RNAは存在しない可能性があるので、ビタミンB12, チアミン二リン酸についても結合するRNAの探索を行う。
|
Causes of Carryover |
FAD・FMNに結合するRNAは得られず、その機能解析の実験を実施しなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の研究計画とは異なる方法でFAD結合担体を調製し、FAD結合RNAの分離・増幅をすることを計画しており、その実験に必要な試薬等の購入に用いる。
|