2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developing Mathematical Comepetency for Globalizatinon through Inquiry Based Learning
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15K12374
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大谷 実 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50241758)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教科教育学 / 数学教育 / グローバル化 / 探求 / 課題学習 / コンピテンシー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、教育のグローバル化やキーコンピテンシーの育成が喫緊の課題となる中で、高等学校数学科における探究的な課題学習の有望な在り方を提言するために、申請者が学校長を勤める金沢大学附属高等学校数学科と協働し、オランダで実施される国際数学コンテストであるMath A-lympiadを参考としながら、授業で探究的な課題学習の実践を行うととともに、キーコンピテンシーの育成レベルの評価の枠組みを作成した。具体的には、次の2点について研究を行った。(1)A-lympiad課題を参考に、附属高等学校数学科と大学教員が協働し、高等学校数学科における探究的な課題学習をデザインし、教授実験を行った。(2)Math A-lympiadeの国内予選と国際本選に参加し、そこでの課題をもとにパフォーマンス評価の枠組みを作成した。 (1)に関しては、附属高校第1学年と第2学年において探求的な課題を開発し、公開授業を行った。第1学年では、数学Ⅰのデータの分析の単元で、心拍数を測定して健康管理を行う課題を実施した。第2学年では数学Ⅱのベクトルの単元で、ケーキの分割課題を実施した。 (2)に関しては、11月23日にMath A-lympiadeの国内予選を実施し、3月9-10日に国際本選に参加した。予選は4チーム16名が参加し、オランダでの本選には4名1チームが参加した。今年度は本選で本校のチームが3位(銅メダル)に初入賞を果たした。これら2つの大会で生徒が協同で取り組んだ探求的な課題解決のレポートを評価する枠組みを開発し、附属高等学校数学科教員とともに評価を行った。 これまで3年間の累積的な取り組みを通して、最初は現実的数学教育に慣れていなかったが、授業での探究的課題学習やコンテストの継続的な取り組みも平常化し、グローバル化を推進しようとする他の高等学校に対してそのモデルを示すことができた。
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