2017 Fiscal Year Annual Research Report
University education program on citizen literacy for promoting science and technology governance
Project/Area Number |
15K12381
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 美紀 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90293729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 悦司 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00324898)
伊藤 真之 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (40213087)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | socioscientific issues |
Outline of Annual Research Achievements |
科学技術や環境に関する公共的な問題(SSI)に関わるリテラシーのうち,解決策の創出に焦点を当て,遺伝子医療技術を扱う科学技術の社会問題を対象にした測定課題を作成した。作成した課題を用いて,日本の大学生を対象にした調査を実施した。その際,先行研究に準じて,遺伝に関わる概念的知識を評価する課題を加えた。ESERA 2017 Conferenceでは,大学生が記述した解決策について,インフォーマル推論のパターンの観点から分類し,シナリオが内包するジレンマの強弱がもたらす影響を分析した結果を発表した。要約すると,通常ならば合理的な判断が可能な大学生であっても,ジレンマが強い状況では感情的判断に傾きがちであることを明らかにした。同時に測定した遺伝に関わる概念的知識と解決策創出との関連については, (a)概念的知識の獲得状況を小問レベルで検討し,総得点について,性差ならびに現在の専攻による差,高校時代の生物関係科目の履修状況による差を検討した。(b)大学生が記述した解決策を,遺伝に関する内容知識を用いたもの,その他の理由を用いたもの,理由記述なし,の3カテゴリーに分類し,内容知識の活用における性差,専攻差,ジレンマの強弱による差を検討した。(c)解決策ならびに想定反論を踏まえた反駁の解決策を,アーギュメント(論証構造)の観点から分析し,概念的知識の獲得状況とアーギュメントの質の関連について検討した。分析結果(a)(b)を日本教育心理学会で,(c) を日本科学教育学会で,それぞれ発表した。
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Research Products
(3 results)