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2016 Fiscal Year Research-status Report

思考過程の形式化による創造的二番手戦略の研究

Research Project

Project/Area Number 15K12384
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

桐山 聰  鳥取大学, 大学教育支援機構, 准教授 (70423423)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords問題解決 / 知識の移転 / 学習の転移 / 思考の可視化
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,問題解決能力に関して優れた学習者(学習者A)及び,同能力に関して優れていない学習者(学習者B)に着目し,学習者Aの優れた問題解決の考え方・手順を学習者Bに移転することを試みた.問題解決の考え方・手順を知識と捉えた場合,福島(2010)が説くように,その知識の背景にある暗黙的な諸概念が知識移転の鍵となる.問題解決において,学習者がブレインストーミング法やKJ法等の質的方法,並びに思考の適切な言語化を成功させるためには熟練を必要とする.また,研究者が,学習者の思考を発言や態度から言語化する際も,誘導的にならないようなシナリオ設定が課題となる.本研究ではまず,学習者Aの解に至るまでの紆余曲折を含む思考過程を口述筆記等により可視化し,次に学習者Bの思考過程を可視化した.この2つの結果を比較し,学習者Bの問題解決を支援する要素の抽出を行った.学習者Aが問題解決において困難を覚えた時点で筆者から与えたヒントは,問題解決過程において出現する単語の意味の明確化(単語の定義)である.一方,学習者B群の個々の学習者について,筆者から一般的な問題解決方法を教授しただけでは,提示された問題の分析やテーマの掘り下げがほとんどできない状態だった.加えて,学習者B群の複数人によって問題解決を狙ったグループ・ディスカッションにおいて,その中で比較的建設的な発言を行う学習者がいる一方,発言がほとんど見られない学習者もいた.この結果を踏まえて開発した教授方法は, テーマを単語に分解して,各単語に対する5W1Hの明確化させるものである.問題となるテーマ3種類程度を順次提示して問題解決を行わせた結果,各単語に対する5W1Hの明確化は不十分であったが,場合分けは観察されるようになる等思考過程に改善が認められた.本成果は,第23回大学教育研究フォーラムにおいて発表した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

問題解決能力に関して優れた学習者Aの思考過程を可視化することができた.この可視化により,問題解決能力に関して優れていない学習者B群に対する教授方法を開発し,所期の目標である学習者B群による思考過程の改善も認められているため.

Strategy for Future Research Activity

平成29年3月に開催された第23回大学教育研究フォーラムにて発表した結果を踏まえ,より発展的な成果を得るために,追加実験・分析を行う.本結果を論文誌に投稿するとともに,最終的な成果を平成30年3月に開催される第23回大学教育研究フォーラムにて発表する.

Causes of Carryover

平成29年3月に開催された第23回大学教育研究フォーラムにて成果を発表する以前から,当該発表の結果を踏まえ,より良い成果を得ることを狙っていた.従って,追加実験,成果発信(論文投稿,学会発表等)を行う上で必要な予算を平成29年度活動のために残した.

Expenditure Plan for Carryover Budget

学生を雇用した追加実験・データ整理,成果発信(論文投稿,学会発表等)を行う.本結果を論文誌(「工学教育」等)に投稿するとともに,最終的な成果を平成30年3月に開催される第23回大学教育研究フォーラムにて発表する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 卓越した学習者による問題解決時の考え方を他の学習者に移転する試み2017

    • Author(s)
      桐山 聰
    • Organizer
      第23回大学教育研究フォーラム
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      2017-03-19

URL: 

Published: 2018-01-16  

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