2016 Fiscal Year Research-status Report
幼年期からサイエンス・ネイティヴを育む科学言語・思考・体験のネットワーク化
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15K12389
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50315347)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 明子 お茶の水女子大学, 理系女性教育開発共同機構, 教授 (40345418)
石田 靖弘 中村学園大学, 教育学部, 准教授 (00719271)
大貫 麻美 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (40531166)
深田 昭三 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50228863)
池野 修 愛媛大学, 教育学部, 教授 (70294775)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 科学言語 / サイエンス・ネイティブ / 幼年期 |
Outline of Annual Research Achievements |
科学教育は、新世紀の前後において子供中心的な学習観に基づく研究が拡大した一方で、急速な革新を遂げる自然科学の進展および科学像の変化から大きく乖離し始めている。本研究の目的は、これまで科学教育の調査対象として取り上げられたことが極めて希な、自然科学への言語論的アプローチとして、①科学学習を第二言語学習としてとらえ直し、②現代的で実践的な科学者による科学言語の使用や思考をモデル化し、③自然の事物現象や日常生活について、意図的に科学言語を有意味に使用することができる(サイエンス・ネイティヴ)人々を育む、幼年期からの科学教育の可能性を探ることを目的としている。 本年度は、幼児向けの科学絵本、幼児の疑問に関わる書籍や科学雑誌を対象に分析を行うとともに、保育所、幼稚園を主なフィールドとし、幼い子どもの科学的思考に関わる開発的・実践的な研究を行った。加えて、幼稚園教諭、小学校教員を対象に、幼い子供の優れた思考に関わる調査を実施し、分析を行った。 その結果、「水」「光」「生命」のような自然科学と日常生活を結ぶコアな概念について、幼い子供の科学的な思考の萌芽とそれを育む環境について重要な知見が得られている。以上の研究成果は国内では、日本理科教育学会、日本乳幼児教育学会で発表されるとともに、海外ではPacific Early Childhood Education Research Association (PECERA)2017大会に申し込み、2件の口頭発表がアクセプトされている。さらに、教員を対象としたワークショップを開催し、研究成果の普及を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自然の事物現象に関わる幼い子どもの言語特性や思考の発達、保育環境等について、重要な基礎的知見が得られつつある。保育所、幼稚園をフィールドとした開発的・実践的な研究の展開も開始している。国内外の成果発表も積極的に行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、これまでの各研究分担者による研究成果を整理、俯瞰し、科学言語・思考・体験の特徴と役割、それらの相互関係を解明し、モデル化を行うとともに、幼年児を対象とした、科学言語・思考・体験の深化プログラムを試行し、評価を行う。
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Causes of Carryover |
試行的に行ってきた具体的な実践例をまとめて印刷物とするため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
具体的な実践例をまとめて印刷し、広く配布する。
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Research Products
(8 results)