2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K12399
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Research Institution | National Institute of Technology, Toyota College |
Principal Investigator |
江崎 信行 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 准教授 (80311033)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 校庭緑化 / 数理モデル / 数値シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の柱の一つである低コスト芝生化の実践については,豊田高専サッカー場の芝生の補修時に行った。基本的な原理は,芝草の密度が密となる領域において芝草を間引き,間引いた芝草を芝生化目標領域に疎の状態で植栽することである。これによって,従来方式よりも低コストに芝生化を推進することが可能であり,一定の成果は得られた。しかし,様々な条件でのモデリングやシミュレーションを踏まえても,特に,スポーツ利用による損耗を取り入れた系とする場合の結果は,シミュレーション通りには成果が出ないこともあり,引き続き,豊田高専サッカー場における試行およびデータ収集が必要と考えられる。一方,2016年以降に実践する小学校における芝生化を成功させるためには,施肥や水やりのコスト削減も必要と考えられるが,その場合の芝生化の成果は依然,熟練の施工技術者の経験に頼る部分が多いのが課題である。 数理モデル及びシミュレーションの改善については,現在のロトカ・ボルテラ方程式を基礎とした「複数の芝草の混植モデル」は,数値計算的にはそれほど難しい方程式系ではないことが分かっており,シミュレーション結果においては,安定な数値解が求められている。ゆえに,離散変数法の新たな改善は行っていない。 芝生化の小学校校庭への普及については,芝生化の実現性を考慮して,複数の小学校を候補として選定した。候補となった各小学校の校長に,本方式による芝生化の概要を説明したところ,1校において,2016年夏期に芝生化を行うことが決定した。これによって,本研究の成果がさらに第一段階前進させることができたといえる。 これまでの研究成果については,2016年5月に千葉大学において行われる日本芝草学会2016年度春季大会において発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
芝草の植栽には適した時期があり,植栽する小学校の選定に多くの時間を要したため,初年度にあたる2015年夏期は植栽を見送った。その間は,豊田高専サッカー場において,試験的な植栽や新しく購入した機材の動作確認を行った。 植栽する小学校の候補を複数選定したのちに,各校との折衝が必要であり,これらにも多くの時間を要する。幸い,平成27年度中に豊田市内の小学校1校がモデル校として名乗りを上げてくださったので,今後は,モデル校の成果を標本として例示することで,各校への提案がスムーズに進むと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに行ってきたシミュレーションや試行した植栽方法を,小学校の校庭において実践する。2016年夏期に実践する植栽領域の面積は,約1,000m2と初期植栽としては適切であり,金銭的にも人的にも負担が過重ではないため,十分な成果が得られると考えられる。モデル校での部分的芝生化が成功したのちには,全面芝生化に向けた植栽を長期的に継続していく。また,モデル校の成果を例示して,目標数である8校における実践に向けて,本方式による芝生化の普及に取り組む。
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Causes of Carryover |
芝生化を実践する小学校の選定に時間を要したため,当該年度中の芝生化を見送ることとした。また,芝生化を実践する小学校校庭の状況に応じて必要となる物品が変更となる可能性があるため,実践に先駆けて購入する物品は必要最小限にとどめた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年夏期に本格的に芝生化の実践に取り組むため,芝苗や芝種の購入に多くの費用を費やすこととなる。また,芝生の施工や維持管理に必要となる肥料代や水道代,および,謝金についても,経費としてかかることとなる。
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