2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K12406
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西原 明法 東京工業大学, 社会理工学研究科, 教授 (90114884)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視線推定 / 角膜反射 / E-ラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
E-ラーニングで、LMSのログからだけではわからない、学習者が実際に講義映像を見ているか否かを判定するシステムを構築した。通常、受講者はPC画面の正面近くにいる。PC画面近くに置いたカメラ映像に映っている目に反射しているPC画面を、PC画面データとマッチングすることにより、どこを見ているかを推定するシステムを作成した。まず画像から目を検出し、その中の角膜輪郭を楕円として検出し、角膜球姿勢と光軸を推定する。次に実際の視線方向から角膜表面への環境光が反射する点Gaze Reflection Pointを推定する。そして環境光像からコンピュータスクリーンにあたる四角形の端点四点を輪郭検出によって取得する。得られた球面上の四角形を射影変換によって平面上の矩形に変換し、得られた矩形とスクリーン画面との縦横のピクセル数の比(スケール係数)から視線推定を行う。 スクリーン上に5×5の25点を表示し、各点を注視する実験を、頭部固定と頭部非固定で行った。推定精度がそれほど高くなかったため、事前に四点を注視し、各被験者の角膜球パラメータ(角膜球半径と角膜平面から角膜球中心までの距離)を校正することで個人差による誤差を軽減した。その上で同様の実験を行ったところ、頭部非固定で平均推定精度約5度となった。この精度は、学習者が見ているPC画面上の文字を特定するには不十分であるが、画面を見て学習していることを知るためには十分であると考えられる。本手法では、新たに必要な機器はカメラのみであり、学習者を拘束することもない。さらなる精度向上のためには、今回PC画面の右下に置いたカメラの位置を、正面下など左右差がないようにすることや、角膜楕円が正円に近い場合に精度が落ちてしまう光軸推定手法の改善などが考えられる。
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