2015 Fiscal Year Research-status Report
特許審査対応における経験知統合学習モデルの構築と学習支援環境の開発
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15K12409
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
池田 満 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (80212786)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 特許審査対応 / 学習環境 / オントロジー / ケース教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、特許戦略ポータル(特許庁)に公開されている特許申請から取得までの文書事例を活用して、特許審査対応知識の学習プログラムを構成し、現場実証を通じて実用性を検証することを目的としている。そのために、(a)公開事例を特許審査対応オントロジーに基づいて分析し、良質な経験学習を促す学習コンテンツとして教材化すること、(b)学習者が先行経験・先行知識と関連づけながら、基礎となる原則やパターンを探す能力を自ら習得することを促す学習環境を設計・開発すること、さらに、学習の試行を繰り返しながら(c)経験知統合の学習モデルを構成し、それに基づいてケース教材を系列化したコースを構成し、実証実験により有用性を確認することを副目標として達成する。 本年度は、最初に、オントロジーとパターンの洗練、事例分析の拡充を進め、その結果を踏まえて、学習教材として適当な審査事例を選択し、オントロジーとパターンを用いて審査対応スキルをモデル化したケース教材を作成した。ケース教材は、課題としての書類群(申請書・拒絶理由通知書等)と、解答例としての書類群(手続き補正書・意見書)と適用パターンで構成される。ケース教材を用いた学習プロセスとしては、 (1)与えられた課題書類を読み、対応パターンを選択する。 (2)解答例としての書類群と適用パターンと対比しながら、自分の思考と回答を批判的に吟味する。 こととした。これを踏まえて、学習支援環境の設計を進め、学習環境の基本機能として、課題としての書類提示機能・特許法関連情報の検索/閲覧機能・特許審査対応オントロジー・パターンの閲覧機能・解答例の閲覧機能の内部仕様を具体化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オントロジーとパターンの洗練、事例分析の拡充、学習支援環境の設計、課題としての書類提示機能・特許法関連情報の検索/閲覧機能・特許審査対応オントロジー・パターンの閲覧機能・解答例の閲覧機能の内部仕様策定という平成27年度の予定は概ね達成し、国内会議・国際会議1件の発表を行ったことから、おおむね順調に推移していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は、以下の2点について優先的に取り組む。 経験知の統合学習モデルの構成と教材の系列化:特許審査対応ケースの経験知を体系知に統合する学習を促すための学習モデルを構成する。ケース教材に具体的経験・反省的観察・抽象的概念化の学習目標(ケースから、何をどのようを学ぶか)を設定し、その系列が経験知統合の合理的な学習プロセスを構成するための原理を明らかにする。 学習環境の洗練:本研究で構成した学習モデルに基づいて、「知識の深い学習」を促すための学習支援機能を開発する。探索的・自律的な経験学習プロセスを促すために、現時点で開発を予定している機能は、以下の3つである。①学習者自身が考えた審査対応パターンの追加登録機能、②特許の原理知識・パターンの検索機能、③他の学習者に自分の回答を公開し、協調的に吟味する機能。
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Causes of Carryover |
システム開発のために購入を予定していた物品(ソフトウェア)の利用が平成28年度にずれこんだため、物品費に残額が生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に当該のソフトウェアを購入する予定であり、予算執行の他の部分に変更は生じない予定である。
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Research Products
(1 results)