2016 Fiscal Year Annual Research Report
Support Environment for Evidence-Based Augmentation with Content-Based Diagnosis
Project/Area Number |
15K12413
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平嶋 宗 広島大学, 工学研究院, 教授 (10238355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 雄介 広島大学, 工学研究院, 准教授 (70362019)
山元 翔 近畿大学, 工学部, 助教 (90735268)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 証拠に基づく立論 / 学習支援ソフトウェア / キットビルド / 三角ロジック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,初等・中等教育において授業の中でしばしば行われる「証拠に基づく立論」を通した学習を,その立論の内容を踏まえて支援するソフトウェア環境を設計・開発し,その実験的な運用までを目指している.本環境では,教授者自身がまず立論構造を作成し,その立論構造を分解・部品化して学習者に提供する.学習者は提供された部品を組み立てることとして立論を行う.学習者の組み立てた立論構造は,構成部品が共通化されているため,教授者の作成したものや他の学習者が作成したものとの比較が可能となり,この比較により誤りの診断・指摘も可能となる. 平成28年においては,根拠,理由づけ,主張の三つの構成要素からなる立論構造に関して,システムを作成した.このシステムにおいては,この三つの要素を三角形で配置し,さらに,二つの要素を設定することで,もう一つの要素を決定できる状況での演習も開発した.これらの活動を通して,論理的な推論としての立論能力が身につくものと期待した.平成28年度においては,このシステムの利用効果の測定実験を行った.プレポストテストには,国内の高校生を対象とした論理能力の調査に用いられたテストを用いた.実験群(システム利用群)と統制群(システム利用なし群)を設け,プレテストポストテストの成績を比べたところ,統制群においてはプレテストとポストテストの成績に差が見られなかったのに対して,実験群においては,有意で効果量大の差がみられた.また,システムにおいて課題解決に要した時間とプレテストの成績の間に相関がみられた.これらのことから,作成したシステムが論理的な能力の育成に貢献する可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)