2015 Fiscal Year Research-status Report
アクティブシニアによるICTを活用した社会貢献および学習共同体の形成モデル
Project/Area Number |
15K12418
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
竹中 真希子 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (70381019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アクティブシニア / 社会貢献活動 / ICTボランティア / ICTリテラシー / 生涯学習 / タブレット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,アクティブシニアが能動的な主体となり自主的に組織するグループにおいて,ICTを活用した社会貢献活動をどのように実現・展開させていくのかという実践的過程を明らかにしようとするものである。 平成27年度は,まず, アクティブシニアのICT を活用した社会貢献の実践的過程の評価・分析の枠組みとして,理解力・技術力の向上と自己実現の度合いを設定した。次に,アクティブシニアのICT を活用した社会貢献を通した学びを明らかにする枠組みとして,共同体の学習理論を援用し後述する活動を観察している。 月に一度開催される勉強会では,自己のICT活用力の向上のための時間と,社会貢献活動について検討する時間が設定されている。平成27年4月から9月にかけ,この社会貢献活動を試験的にでも実施しようという案が出され,10月に参加メンバーの一人が居住する自治会において「タブレットを体験しよう!」という研修会が実施された。11名が参加し,メンバーの1名が主指導者となり7名が支援者となって研修会を実施した。 本研修会終了後,メンバーの意識に違いが現れた。タブレットやICTに関する理解力・技術力に優れたメンバーは1名で,他のメンバーに大差はないが,「今の自分の能力では社会貢献活動をするに至らない」という思いが強まり重荷に感じるメンバーと,「全てを理解すること,できるようになることは不可能。今自分たちにできることを伝えることが大事だ」という思いから,出来る範囲での活動を続けて行くことが自分の成長のためにも必要と考えるメンバーに分かれた。前者の中には会を離れるメンバーも出た。後者は,平成28年2月に,10月とは別の自治会において「タブレット体験講座」を実施した。 平成28年度も引き続き,会の活動を追いながら,アクティブシニアのICTを活用した社会貢献の実践的過程および学習共同体としての機能のあり方を追究する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画において,平成27年度はアクティブシニア主導のICTボランティア活動をはじめるための準備段階までを想定していた。しかしながら,毎月1回の勉強会の中で,社会貢献活動を試みる準備などが順調に進み,参加メンバーの居住する2つの自治会において,タブレット端末の便利さや楽しさを伝え,操作体験をしてみるという活動を実施するまでに至った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28 年度は,アクティブシニアのICT活用力の向上を図る勉強会を継続するとともに,昨年に続き,ICTを活用した社会貢献活動の場を設定し,実際にICT ボランティア活動を実施する。 各活動の様子はビデオカメラなどで記録する。 また,活動を実施したアクティブシニアに簡易な報告書を作成してもらい,よかった点や改善点などをメンバーで議論する。
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Causes of Carryover |
(1)本研究の中心であるICTボランティア活動の実施が,計画よりも早く実現したため,調査先の絞り込み作業が遅れ,平成28年4月になってしまったため,外国旅費の執行が年度内にではなくなってしまった。 (2)ICTボランティア活動の実施が,計画よりも早く実現したことで,必要機器の調達順序に変更が生じたこと,および,分析作業準備が進まず,PCやソフトウエアの購入計画を詰められなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
(1)海外旅費については,平成28年4月に調査・資料収集において執行する。 (2)本年度の計画と合わせて執行を予定している。
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