2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Fixation Area in Watching English Movies by English Skill Stage and Construction of Advance Learner Model
Project/Area Number |
15K12429
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
大倉 孝昭 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (50223772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 敏子 大阪大谷大学, 教育学部, 教授 (20352974)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 英語字幕 / 英語映画 / 視線停留時間 / 上級者モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年12月に,海外留学直前(春季ニュージーランド英語研修)の学生で,TOEICの点数も高く(700点台),留学で伸長するであろう英語力を活かして,英語の教師になりたいという意欲の高いAさんが見つかり,研究の被験者として協力が得られることになった.留学前(1月末)と帰国後約2週間(3月中旬)のタイミングで,3作品から6シーン(各シーン約2分)を選んで英語字幕視聴時の視線計測実験を行った. 当初は,海外語学研修によって英語を常用する時間が長くなると,リスニング力が上がって,字幕領域を注視する時間が減るのではないかと予想していた.字幕付き英語映画の字幕領域への注視回数と平均停留時間を留学前後で比較したところ,帰国後には停留時間の長い注視行動が増えて,結果的に平均停留時間も帰国後に注視時間が長くなる傾向が確認された(マンホイットニーのu検定,p=0.052>0.05 ).統計的には,有意な差は確認できなかった. このことについて,渡航前にはネイティブの音声を聞き取ることに慣れていないため「字幕を読み取ろうとするが間に合わず,追従できていない」ため,停留時間の短い注視行動が多くなるが,帰国後の英語の聞き取りに慣れた状態では,細かく視線を移動するのではなく「自信を持って聞き取り,広い視野で字幕をとらえ,内容の確認をしている」と判断した. 帰国後の実験で,ムービー視聴後に書いてもらったレポートには,事実の箇条書きではなく,「○○が××といって・・・」という会話内容を引き合いにしたストーリーが書かれていた.インタビューでも「渡航前と較べ,落ち着いてビデオを見ることができた.」という回答を得た.これらのことから,英語聞き取りへの慣れは,字幕への停留時間を長くし「音声の補償としての字幕の読み取り」ができるような効果をもたらすと考えた.
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