2015 Fiscal Year Research-status Report
医学統計初学者のためのエピソードデータベースを用いた応用問題作成ソフトの開発
Project/Area Number |
15K12431
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
藤原 康宏 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30305338)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 統計教育 / 自動作問 / eラーニング / 教育工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の医学教育おいて,統計学は準備教育として重視されている.しかし,時間的制約もあり,統計の手法の知識,理解に重点が置かれ,その適用方法まで習得することは難しい.そこで,次の要件を満たす問題発見,批判的思考につながる“問題作成プログラム”を開発することで,医学教育における統計教育の意義や時間的効率を向上させることを目指す.そのため,次の機能を有するシステムの構築を行っている. 機能I:1つの事例から複数のタイプの仮説を作成する際に使用するエピソードデータベースの構築を支援する機能 機能Ⅱ:エピソードデータベースから,個別の統計分析の問題を生成する機能 機能Ⅲ:自己決定学習に対応できる個別学習を支援機能 27年度は,機能Ⅰに関して,応用事例のエピソードから,問題に用いるストーリーとデータを抽出してデータベース化し,そこから問題を生成するアルゴリズムを開発した.さらに,機能Ⅱに関して,機能Ⅰで抽出されたデータから単純な問題を生成するアルゴリズムを開発した.これらの機能を検証するために,データベースに格納するデータの作成を行った. 現時点では,本研究の核となる機能Ⅰについては,必要な機能は有しているものの,個別で判断し,手動で作成する部分が多い.そのため,作問のスキルを持つ者でないと,データベースを作成することができない問題がある.次年度は,必要となる作問スキルを定式化し,より単純な操作でデータベースが構築できるよう改善を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画では,27年度は,3つの機能のうち. 機能I:1つの事例から複数のタイプの仮説を作成する際に使用するエピソードデータベースの構築を支援する機能 機能Ⅱ:エピソードデータベースから,個別の統計分析の問題を生成する機能 の開発を予定していた.条件が付くものの,機能Ⅰ,Ⅱともにエンジン部分の試作を行うことができ,1年目の目標はほぼ達成できた.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度に開発したアルゴリズムは,現時点では,実用に耐えうる十分な性能は有していない.しかし,計画の段階で,1年目に想定していた目標は,ほぼ満たしており,今後適用データを増やしていくことで,性能の向上が可能であると考えている.
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Causes of Carryover |
物品費のうち,コンピュータとソフトウェアのうち,27年度には使用を開始しないものについて,年度内の購入を見送り,開発が進んだ時点で最適な物品を購入することとした.対象となるのは,開発支援ソフトウェア,記憶装置である. 旅費のうち,27年度後半に予定していた統計教育関連学会での調査を行うことができなかったため,残額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費のうち,コンピュータのパーツについては,開発が進み要件が明らかになったため,27年度に購入を見送った記憶装置等を購入する.開発に必要なソフトウェアも,選定が終わっため購入する.いずれも28年度前半に使用を開始する予定である. 旅費については,27年度予定していた調査を,28年度前半に行う予定である. なお,28年度に使用を予定していた経費の使途は,変更しない予定である.
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