2018 Fiscal Year Annual Research Report
Geographical research on sediment hazards and land use on alluvial fans
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15K12452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小口 高 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (80221852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 大地 奈良教育大学, 社会科教育講座, 准教授 (10454787)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 扇状地 / 上流域 / 土砂流出 / 災害 / 地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の扇状地とその上流域の詳細な土地利用変化を調べるために、国土地理院が三大都市圏周辺について発行している数値地図5000(土地利用)および細密数値情報(10mメッシュ土地利用)が利用可能な扇状地を抽出し、1981年以降の土地利用変化を分析した。扇状地は斎藤(1988)が認定した面積2平方km以上のものを対象としたが、32個の扇状地の全域について上記の高解像度の土地利用データが存在し、24個については上流域の全域についても存在する。分析の結果、農業的土地利用の減少と都市化の進展が概して明瞭だが、その速度は時代によって異なり、扇状地と上流域の変化は同じ河川沿いであっても必ずしも対応しないことなどが判明した。また、より山間部である長野県の扇状地と上流域の土地利用を新旧の地形図などを用いて調査し、灌漑による農業の変化や治水治山の影響などを論じた。 オマーンの内陸部のバート遺跡群に位置するワジ(涸れ川)に合流する小規模な扇状地の掘削調査で得られた堆積物の詳細な分析を行った。前年度までに行った石英および長石のOSL年代測定に加えて、炭素14法による年代測定を12の試料について新たに実施した。それらの結果を総合し、約1万2千年前における乾湿の変化と、それにともなう扇状地の形成過程の変化、および土地利用を含む人為活動の変化について考察を行った。さらに台湾やスバールバル諸島における上流域からの土砂流出と扇状地の形成との関係も検討した。 扇状地の人文社会的な特徴を、土地利用変化や防災、地域振興の観点から検討し、社会への働きかけを意識したパンフレットを作成した。この内容の概要は昨年度末の時点で確定していたが、今年度は細かい点の検討を行って最終版を完成させた。その際には、観光、ジオパーク、博物館、ESD(持続可能な開発のための教育)等に関する地域の取り組みを考慮し、内容や表現を工夫した。
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Research Products
(6 results)