2015 Fiscal Year Research-status Report
作業ミス低減に向けた画像解析を用いた工程管理に関する研究
Project/Area Number |
15K12464
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
志田 敬介 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (40365028)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 工程管理 / 作業ミス / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年増加している製造現場の請負や熟練作業者の退職の増加によって、「製造品質」の維持が困難な状況が見受けられる。この対策として、製品検査の強化が、その対応策のひとつとして挙げられるが、検査作業の強化は、生産性、経済性とトレードオフの関係にあり、その強化には限界がある。そのため、実務的な側面からも何らかの対応策を求める声は少なくない。この様な背景の中で、本研究は、製品品質の自工程保障への応用に向け、画像解析を用いることで生産現場における作業ミスの発見、作業の無駄の発見、更には工程管理の問題点の発見に向けた基礎的な研究に取り組んでいる。本年度は、作業者が装着したウェアラブルカメラの画像を解析することによって作業内容の推定、また、工場内に設置された固定カメラの画像の解析をすることによって作業者の追跡と作業内容を推定することに関して、検討することを目的に研究を推進してきた。 ①ウェアラブルカメラの画像解析 ARマーカーから作業点の位置推定、さらには作業位置の特徴から作業点の位置推定について検討し、作業内容の推定とその精度に関して評価した。ARマーカーを用いることで、高い精度で作業点の位置推定が可能となり、作業内容の推定が可能であることが認められた。一方で、作業位置の特徴として、本実験では製品部分の色の配色を用いたが、ARマーカーを用いた場合の作業点の位置推定よりも位置推定の精度は低下するものの、作業内容の推定は可能であることが認められた。 ②固定カメラの画像解析 食品工場におけるフードディフェンス用のカメラの画像を用いて、作業者の追跡と作業内容の推定、その精度に関して評価した。作業者が作業を行う範囲を限定できる本研究での対象作業では、作業者の追跡および作業内容の推定が可能であることが認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験室と実際の製造現場における解析とを並行して実施した。おおむね順調に進捗しており、特に、実際の工場における実験を通じて、本研究の結果に対する課題を具体化することができ、今後さらに検討を深化させることが可能な状態となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究において具体化した課題の解決に注力するため、実際の食品工場での検討を更に深化させる。 そのためには、他の作業、他の工程において実証的な検証を進める予定で、画像解析を用いた工程管理システムの実現に向け、研究を進める予定である。
|
Causes of Carryover |
当初購入を予定してた解析用パソコンが、同等のスペックでありながら、より廉価で新製品が発売されたことから次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析に用いる設備機器の購入に充当する予定である。
|