2015 Fiscal Year Research-status Report
金融・不動産市場をリアルタイム予報するセンチメント・インデックス構築の理論と方法
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15K12465
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| Research Institution | Chuo University |
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Principal Investigator |
石島 博 中央大学, その他の研究科, 教授 (20317308)
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2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | センチメント分析 / ファイナンス / 不動産 / テキスト・マイニング / ビッグ・データ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
デフレ脱却へ向けた経済政策・経営戦略が大きな論争となる中、景気を左右する経済主体の心理や経済・経営活動の雰囲気を表す「センチメント」が近年注目されており、その分析は、経済・経営活動を「リアルタイム」に分析し評価するための新しいアプローチとなりうる。しかし、センチメントは、観測不能な見えざるものであり、直接的な分析は難しい。そこで、本研究では、
【研究項目①】リアルタイムにセンチメントをインデックスとして見える化する、
【研究項目②】リアルタイムに資産価格を分析・評価するための理論と方法を確立する、
ことを目的とする。
このような目的の下、本研究成果として、日本の金融・不動産市場をリアルタイムに予報する「Jセンチメント・インデックス」として構築し、わが国のアセット・プライシング研究・実務に新たな指標として、国内外の学会にて研究発表するとともに、査読付き論文誌への投稿・掲載を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的に挙げた２つの研究項目；【研究項目①】リアルタイムにセンチメントをインデックスとして見える化する、【研究項目②】リアルタイムに資産価格を分析・評価するための理論と方法を確立する、について以下の観点より立てた研究実施計画に沿って研究を行った。
【研究項目①】センチメント辞書の源泉となる日本語テキスト・データの収集と整備
米国のファイナンス研究では、センチメント辞書は主要経済新聞・ウォール・ストリート・ジャーナルや企業報告書(10-K)のテキストより作られている(Tetrock, JF, 2007, 2008; Loughran-McDonald, JF, 2011)。これに倣って、本研究でも、わが国の主要経済新聞・日本経済新聞を収集して、自然言語処理が効率的に行えるようにクリーニングをして蓄積した。具体的には、1981年10月から2014年12月までの399か月にわたる、日本経済新聞のすべての記事・見出しデータを取得し整備した。
【研究項目②】リアルタイムに資産価格を分析・評価するセンチメント・インデックスと統計モデルの構築
わが国の金融・不動産市場における資産価格を被説明変数、センチメント・インデックスを説明変数として、予測精度が高い統計モデルを構築した。あわせて、予測精度が向上するようにインデックスの構築方法を改善し、合計で８種類のインデックスを提案した。統計モデルは、既存研究との比較ができるように、Tetrock(JF 2007)でも利用されたVAR(Vector Auto-regression)モデルを採用して分析した。また、資産価格のデータセットについても、株価指数に加え、不動産価格指数も利用し、資産クラスに依らない予測精度の頑健性を持つ統計モデルを構築した。
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| Strategy for Future Research Activity |
現状では、２つの研究項目のうち、【研究項目①】である「リアルタイムにセンチメントをインデックスとして見える化する」については、概ね順調に研究が進んでいる。今後は、日本経済全体のセンチメントを映す巨視的なインデックスに加えて、個別資産に関するセンチメントを反映したインデックスを構築する。
【研究項目②】である「リアルタイムに資産価格を分析・評価するための理論と方法を確立する」についても、その「方法」としての統計モデルは非常に頑健なものが構築できており、一定の成果を上げている。しかし、「理論」は十分に研究が進められていないため、今後の研究において、集中的に取り組むこととしたい。
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| Causes of Carryover |
本年度は研究協力者の都合により分析補助が計画よりも少なかったことに起因して、次年度使用額が生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は計画を超えて研究協力者への分析補助を依頼できる見通しであり、次年度使用額を充てたいと考えている。それ以外の使用計画に変更はない。
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