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2015 Fiscal Year Research-status Report

システム安全としてのリチウムイオン電池の安全設計手法の構築

Research Project

Project/Area Number 15K12469
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

平尾 雅彦  東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80282573)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywordsリチウムイオン電池 / 安全設計 / 事故事例分析 / 内部短絡 / シミュレーションモデル / フォールトの木解析
Outline of Annual Research Achievements

リチウムイオン電池(以下LIB)の安全設計のための手法構築に向けた基礎的検討として、製品評価技術基盤機構などが調査・発行している製品事故事例データベースを調査し、これまでに起こっているLIBの事故事例を調査分析した。内部短絡による発熱事故が多いことが明らかになった。ただし、内部短絡事象が発生する本質的原因は明確ではなかった。
安全対策の定量的評価のために、内部短絡事故に対して、内部で起きる熱化学的現象をシミュレーションモデルで表現した。内部短絡抵抗や放熱状況を様々に変化させて、内部での発熱と温度の時間変化をシミュレーションすることが可能になった。
安全対策の評価手法の構築のために、事例調査分析の結果と文献調査結果から、フォールトの木解析(FTA)を実施し、製品発火事故の要因を抽出し、可視化した。
シミュレーションの結果、LIBの安全性を確保するためには内部短絡などの事故においても、熱暴走に至らない本質安全を目指すべきであることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に計画していた、手法構築に向けた基礎的検討としての事故事例-データベースや論文調査、学会報告調査から事故事例調査とその分析を行った。リチウムイオン電池内部での化学反応について文献調査を行い、そこで得られた情報から熱化学挙動解析のためのシミュレーションモデルの構築に着手できた。事故事例調査結果から、フォールトの木解析(FTA)による発火事故
の要因の連鎖・連動の可視化を実施できた。

Strategy for Future Research Activity

文献調査などによってシミュレーションモデルの精緻化とそれを用いたシミュレーションによる電極材料や電池構造、セル接続方法など電池設計にかかわるシナリオ分析を行う。
当初計画では予定していなかったが、使用後の廃棄やリサイクルを含めたライフサイクル全体における安全リスクを分析すること、およびライフサイクル環境影響も評価し、安全評価との統合を行っていく。
最終的には安全性評価手法とシミュレーションによるシナリオ分析、さらにライフサイクル環境影響評価手法を統合し、これらの評価結果に基づいたリチウムイオン電池の安全設計手法をアクティビティモデルとして提示する。
課題申請時に連携研究者としていた上原恵美が退職し、本研究課題の遂行に加わることができなくなった。代表者ともう一名の連携研究者で計画に沿った研究遂行を実施するとともに、大学院生1名を本研究課題の遂行に参加させる。

Causes of Carryover

国際学会での発表と論文執筆を計画していたが、発表可能なレベルまでは研究が進捗せず、発表しなかった。一方シミュレーションモデル構築とシミュレーション実施のためのワークステーションやデータ記録装置の導入を先行した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

計画通りの研究遂行を行うとともに、前年度までの研究成果の取り纏めを行い、学会や論文での成果発表を行う。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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