2017 Fiscal Year Annual Research Report
Proposal of a new evaluation method corresponding to risk assuming unexpected events
Project/Area Number |
15K12470
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田中 健次 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (60197415)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リスクマネジメント / リスクアセスメント / レジリエンス工学 / モニタリング / 想定外事象 / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
従来から行われている想定事象のリスク評価ではなく、想定外の事象の発生に対応する仕組みや体制、能力を判断するための「リスク対応体制の評価の方法」を考えることが、本研究の目的である。 平成28年度から継続している企業組織での調査で、想定外事象への有効な対応の仕組みや体制を考える際、情報共有の仕組みとその活用の体制が重要なポイントであることが分かってきた。29年度は、情報共有とその活用に着目して体制のあり方を検討、その結果を学会にて発表し議論を重ねた。 5月の第14回ISCRAM(危機管理のための情報システムに関する国際会議)では、想定外事象に伴う現状の状況を局所モニタリングにより把握する可能性とその情報の活用について提言した。さらに、11月のSICEシステム・情報部門学術講演会では、鬼怒川で発生した堤防決壊への消防団の対応状況をベースに、自主判断で活動場所を探索し活動に協力する自律分散型の適応的体制の効果をシミュレーションで評価した結果を発表、多くの示唆を得た。自主避難を促す情報提供の方法についても被験者実験を行い、平常時とは異なる活動を円滑に導くための提示情報の構造や提示方法についても比較評価した。 これらの実験結果は、大規模プラントの運用・管理などでの広範囲に及ぶ想定外事象への対応に展開できる内容であり、共有情報を活用した適応的対応を実現できる体制、仕組みを整理することに役立った。さらに、製品製造においても、不特定多数のユーザを相手に的確な情報を提示する体制に展開できることがわかった。 想定外事象への対応力を評価するための枠組みやポイントは、ほぼ把握できたため、それらの手順化、標準化を目指し、さらに精緻化することが今後の課題である。その枠組みの中で、業界別の特徴や注意点を織り込み、現実に使用できる評価法を社会に提案することが必要となる。
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Research Products
(3 results)