2016 Fiscal Year Research-status Report
アクティブスマートセンサを用いた大型構造物のガイド波検査
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15K12473
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 高弘 京都大学, 工学研究科, 准教授 (30324479)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非破壊検査 / レーザ超音波 / スマートセンサ / 擬Scholte波 |
Outline of Annual Research Achievements |
配管の減肉のような損傷部位に対し,遠隔からのレーザ照射により弾性波を励振して,その励振点を走査することにより,損傷を画像化する技術の開発を行っている.本研究では,特に,遠隔からの計測により簡便に損傷画像化が行うことを目的として,弾性波の受信センサの高度化を進めている. 昨年度までは,受信センサにアンプ,AD変換機,PCなどを取り付けたスマートセンサを開発してきた.レーザ光をフォトディテクタで受光した信号をトリガとすることで,送信側と受信側の機器が完全に独立した損傷画像化システムを構築した.薄板裏面につけた人工傷の画像が適切に得られており,このシステムが有効性を確認した.しかし,装置構成上,数年での小型化および省電力化には難点があった.そこで,本年は,受信センサにアンプとFMトランスミッターを取り付けた装置により,その小型化を試み,損傷画像が適切に得られることを確認したところである. また,配管内の損傷を画像化することを念頭に,薄板中を伝搬する弾性波動の数値解析および基礎実験を行った.配管のような薄板状材料の表面に水などの輸送流体が接している場合には,擬似Scholte波と呼ばれる特有の波動が伝搬することが示された.このモードは水中への漏えいによる減衰がなく速度分散性も小さいため,非破壊検査に有効であり,このモードに対し大きな受信感度を持つ受信センサを設計することで,水のような輸送流体が接している配管に対し,非破壊検査の高度化が可能であることが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妥当な実験結果および数値解析結果が得られているものの,外部発表が限定的であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
FMトランスミッターによる弾性波信号の伝送では,周波数が15kHz以下に限定されるため,他の伝送手法を利用した遠隔計測を試みる.また,配管を対象とした実験を行い,システムの妥当性を検証する.
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Causes of Carryover |
主に,配管中の弾性波伝搬数値解析を行っており,物品費を要するセンサデバイスの試作の実施を次年度に行うことにしたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
小型スマートセンサデバイスの試作を行うことで物品費を使用する.また,外部発表を積極的に行うための出張費および論文投稿料を使用する.
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Research Products
(3 results)