2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K12494
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
天野 成昭 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 教授 (90396119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 勝弘 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 准教授 (50447033)
榊原 健一 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 准教授 (80396168)
山川 仁子 尚絅大学, 文化言語学部, 准教授 (80455196)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 拡声音 / 情報伝達 / 環境雑音 / 音源 / 伝搬 / 知覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,荒天時の拡声音による情報伝達に関し,①音源音声・②伝達環境・③音声知覚の各段階における特性を,定量化・定式化し系統的に関連づけることにより,荒天時における拡声音の情報伝達特性を包括的に解明することを目指している。 H27年度は特に上記①②について重点的に研究を進めた。まず,ヘルメットやニット帽子等の防寒具を装着した人間の両耳の外耳道入口に,イヤホン型マイクロフォンを取り付け,その入力音をデジタルレコーダーで録音する屋外録音システムを構築した。このシステムにより,人間が実際に屋外で聴取した拡声音および環境雑音をデータとして保存し,解析することが可能となった。 次に,冬期のスキー場において,拡声システムから音声および周波数スイープ音を出力し,拡声スピーカからの距離を様々に変えながら,上記の屋外録音システムを用いて,実際の状況における拡声音および環境雑音を録音した。さらにスキー滑走時やリフト乗車時などの実際の状況における環境雑音も録音し,解析に必要となる基礎的データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度の研究項目のうち,音声知覚実験用の単語・単文の選定については計画よりも遅れが生じている。しかしそのほかの研究項目では,屋外録音システムの構築および拡声音と環境雑音のデータ取得など,ほぼ計画通りに進んでいるので,研究全体としては概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度に録音したデータの解析を進め,そのスペクトル形状・時間変動・発声速度等の音響物理的特徴を明らかにする。また,雪面による反射音の影響や風雪による環境雑音の影響を明らかにするために,夏期のスキー場において冬期のスキー場と同じ条件で録音を実施し,得られたデータを比較し,両者の相異について検討を行う。これらのデータの解析を進め,荒天時の拡声音の特徴を特定し,さらにその特徴を模擬した音をコンピュータで合成することを目指す。この合成音を用いた音声知覚実験をH29年度に実施することを目標に実験準備を進める。
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Causes of Carryover |
研究分担者のうち1人が緊急に家族の介護をする必要が生じ,現地調査の期間を短縮しなければならなかった。このため本来ならば現地調査で必要となる当人の宿泊費等の旅費が使用されず,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に計画していた現地調査のうち,上記の理由で実施できなかった部分をH28年度に実施する費用として使用する。
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