2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長谷川 光一 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定拠点講師 (50378890)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医工学 / 組織幹細胞 / 膵臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、成人膵臓GCTM-5陽性前駆細胞を単離するための条件検討を行った。研究協力者と相談し、健康な膵臓の生きたサンプルを入手することは困難であることから、細胞ソースを膵癌患者から摘出した膵臓に含まれる健康な部分とすることとした。最初の条件検討として、膵癌患者でのGCTM-5陰性の患者の割合を調べるために、患者の血清中のGCTM-5を調べたところ、調べた全ての膵癌患者では陽性であり、GCTM-5陰性の膵癌患者を見つけることは大変難しいことが分かった。 一方で、FACS等を用いず簡便にGCTM-5陽性細胞を単離する方法を検討した。GCTM-5陽性と陰性細胞が混在する膵癌細胞株を見出し、幾つかの方法で検討したところ、磁気ビーズを用いる方法が最も簡便で、精度も期待できることが判った。研究協力者にこのプロトコールと抗体を送付し、膵癌患者から摘出した膵癌に付着する正常部分からの摘出の開始を依頼している。 また、得られる成人膵臓前駆細胞を増殖分化させる方法を検討するため、ヒトES/iPS細胞からの膵臓細胞誘導過程におけるGCTM-5、SOX9供陽性細胞の出現時期の同定を行った。その結果、予想に反してGCTM-5、SOX9供陽性細胞は、分化段階の比較的早い時期、前腸内胚葉形成時に出現すること、またその後の膵前駆細胞形成時にはほぼ消失することが分かった。現在は、この細胞を単離し、遺伝子発現プロファイリングおよび増殖させる方法のスクリーニングを行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究に用いる成人膵臓は、研究協力者が入手し、それからGCTM-5陽性細胞を単離する予定であった。しかし、共同研究者が産前後および育児休暇を6ヶ月所得したため、この部分が中断し研究が遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の理由により、平成27年度は研究計画を一部変更し、本来平成28年度に行う予定であったヒトES/iPS細胞から誘導したGCTM-5陽性膵前駆細胞を用いた細胞の増殖・分化方法の開発を開始している。このため、平成28年度には、平成27年度に行う予定であった成体膵前駆細胞の解析と、平成28年度に予定しているその前駆細胞の増殖・分化方法の開発を同時進行で行うことで研究の遅れを取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
共同研究者が産前後および育児休暇を6ヶ月所得したため、平成27年度に予定していた、成人膵前駆細胞の単離・解析ができなかった。このため、平成27年度に実施予定であったRNAseqによる遺伝子発現解析用の予算を平成28年度へ繰り越す必要が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年に予定していた成人膵前駆細胞の解析に使用する。
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Research Products
(5 results)