2016 Fiscal Year Annual Research Report
Diamagnetic rearangement of uric acid crystal structures causing gout
Project/Area Number |
15K12511
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩坂 正和 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 教授 (90243922)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 痛風 / 尿酸結晶 / 微結晶 / 再結晶化 / 結晶溶解 / 直流磁場 / 交流磁場 / 磁場配向 |
Outline of Annual Research Achievements |
尿酸・シュウ酸カルシウムの微結晶が再結晶化する過程での磁場印加が,結晶の形状に及ぼす効果を顕微鏡観察で評価した。超伝導磁石(5テスラ)および最大500mTの強磁場を発生する電磁石を用い、磁場発生空間内部に設置した磁場中顕微鏡(~1000倍の倍率)で磁気応答の検出を行った。ファイバーアタッチメントを用いた分光計測を用い、微結晶の形態変化過程をクロスニコル透過偏光(複屈折)で評価した。5Tあるいは500mT磁場の有無での、再結晶化した微粒子の形態および透過偏光の比較を行った。 強塩基のNaOH水溶液に高濃度の尿酸を分散させミセル化した状態からpHを中性に移行させて、急速に板状結晶を形成させた。この結晶化過程に強磁場を印加することで、ミセル化水溶液が流動状態で且つ微結晶が凝集した状態でも、板状結晶の配向をそろえることが可能であった。また、透過偏光計測により微結晶の配向方向変化の検出に成功した。さらに、ミセル状態にある微結晶と板状(および針状)結晶化直後の結晶化浮遊サスペンションを磁場中でX線構造解析した。ミセル状態では微結晶はアモルファス化しており、再結晶化過程ではNa塩結晶を含みつつ磁場配向していることが明らかとなった。 最後に微結晶の形態変化過程に変動磁場を与えた際の効果について検討を行った。再結晶化微粒子に対しNaOHを添加し、500mT磁場下で2Hzの振動を与えた場合と100mT-60Hz交流磁場を与えた場合の挙動観察を行った。微結晶の挙動を反射光測光で評価し、磁場変化に追従する動きが高感度検出できた。その挙動を高速度カメラで観察し、3つの結晶軸に沿った反磁性磁化率の分布を解析し、2つの磁化容易軸が存在することを考察した。痛風誘発微結晶の形態変化において、数100mT程度の磁場による微結晶配向検出が結晶化診断に有効であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)