2016 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel therapeutics for the preventions of cervical cancer
Project/Area Number |
15K12518
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
塚本 康浩 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (90305657)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ダチョウ抗体 / HPV / 子宮頸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸ガン関連ヒトパピローマウイルス(HPV)とされているHPV16,18のウイルス様粒子(virus-like particle: VLP)をバキュロウイルス発現系を用いて作製した。この抗原を産卵雌ダチョウに免疫し、卵黄抗体を大量、さらに均一的に回収する方法の開発に成功した。この方法により、HPVに結合可能なダチョウ卵黄抗体が卵1個から約2g回収出来ることが明らかとなった。さらに、この抗体はpH4.0,80℃でも抗原抗体反応性を有することがELISAにより判明した。次に、これらのダチョウ卵黄抗体を用いて、HPV16,18に対するダチョウ抗体の感染中和能の検証を試みた。ダチョウ抗体と各PsVを混和し、培養細胞に感染させた。使用した培養細胞はHela細胞、Cos7細胞, NHK細胞HuVec細胞であったが、Hela細胞がPsVの導入効率が高かったため、この細胞株を用いて検証することとした。アルカリフォスファターゼ発現量により感染力価を測定し、ダチョウ抗体の中和活性価を算出したところ、抗血清および卵黄抗体の培養液への添加によりアルカリフォスファターゼ発現量が減少することが確認された。今後、添加する抗体量および添加時期など最適な感染抑制条件を設定していく。また、in vivoでの中和能の検証のため、 マウス生殖器へのHPV pseudovirion(PsV) in vivo neutralization assayを計画している。これまでに作製したダチョウ抗体と各PsVを混和し、マウス子宮内に感染させ、子宮粘膜内のアルカリフォスファターゼ発現量により感染力価を測定し、ダチョウ抗体の中和活性価を算出する予定である。最終的にはローションやコンドーム表面への適応を謀るため、抗体としての安全性試験および安定性試験も計画している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的としていた抗原と抗体が計画通りに作製できていること、また得られた抗体の反応性や中和活性も確認できた事から、研究計画は順調に進んでいると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後、添加する抗体量および添加時期など最適な感染抑制条件を設定していく。また、in vivoでの中和能の検証のため、マウス生殖器へのHPV pseudovirion(PsV) in vivo neutralization assayを計画している。これまでに作製したダチョウ抗体と各PsVを混和し、マウス子宮内に感染させ、子宮粘膜内のアルカリフォスファターゼ発現量により感染力価を測定し、ダチョウ抗体の中和活性価を算出する予定である。最終的にはローションやコンドーム表面への適応を謀るため、抗体としての安全性試験および安定性試験も計画している。 マウスを用いた抗HPVダチョウ抗体の臨床的検証として、中和試験によるダチョウ抗体のHPV中和活性能を基盤にし,投与法を検証する。主材(ダチョウ抗体)の配合量および副材(媒体)の選定、HPVとダチョウ抗体の反応時間による感染性の評価、マウス子宮内へのダチョウ抗体の保持性の検証を行う。また、将来的には、抗HPVダチョウ抗体を性交時に使用するローションやコンドーム表面に適応させるため、急性毒性試験、皮膚刺激性試験、変異原性試験、ヒトパッチテスト、眼刺激性試験を計画している。さらに、将来的には医薬部外品などへの応用化が期待できるため、抗体原料およびローション配合物としての安定性試験を行う。恒温恒湿(例:50℃75%)条件下で一定期間保存し、ELISAにて各HPV抗原に対するダチョウ抗体の反応性を検証する。その結果により、品質保持期間および保存法を決定していく。
|