2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12539
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤木 隆美 大阪大学, 生命機能研究科, 招へい研究員 (00527236)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ-マイクロ構造体 / ワクチン / 両親媒性高分子 / ドラッグデリバリーシステム / アジュバント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、両親媒性ポリアミノ酸からナノ-マイクロ構造体を調製し、ワクチンアジュバントとしての機能評価を目的としている。初年度(平成27年度)では、ポリ(γ-グルタミン酸)(γ-PGA)の疎水化度や分子量の異なる疎水化γ-PGAを合成し、様々なサイズ・形状を有する構造体の調製方法を確立した。分子量の異なるγ-PGA(分子量50, 200, 500万)に疎水性アミノ酸であるL-フェニルアラニンエチルエステル(Phe)を縮合剤を用いて導入した。Pheおよび縮合剤の仕込み量を変化させることで、Phe導入率が40~80%の疎水化γ-PGAを合成した。得られた疎水化γ-PGAを各種有機溶媒(DMSO、クロロホルム等)に溶解し、その溶液を貧溶媒に添加することで、導入したPheの疎水性相互作用による構造体形成を行った。その結果、Pheの導入率、良溶媒の種類、ポリマー濃度、ポリマー溶液(良溶媒)の水(貧溶媒)への置換速度によって、ナノ粒子、マクロ粒子、中空粒子、多孔質粒子、ファイバー等の構造体が形成可能であることが、動的光散乱(DLS)測定、走査型電子顕微鏡(SEM)・位相差顕微鏡観察より明らかとなった。次年度は、上記で得られた疎水化γ-PGAからなるナノ-マイクロ構造体の基礎的な物性を解析し、蛋白質、ペプチド、核酸等のキャリアおよび細胞賦活化剤としての機能を評価することで、ワクチンアジュバントとして有効性を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の計画通り、疎水化γ-PGA からなるナノ-マイクロ構造体の形状制御方法を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り、平成27年度に得られたナノ-マイクロ構造体の物性と機能に関する研究を推進し、構造体の形状とワクチンアジュバント機能との関連性を明らかにする。
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Research Products
(2 results)