2016 Fiscal Year Annual Research Report
Challenge to develop safety and effective nano-carriers for contributing to creation of mucosal vaccine
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15K12540
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堤 康央 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (50263306)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノ粘膜ワクチン / ワクチンリスク / ナノDDSキャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者らが国内外でパイオニアとなっている『ナノマテリアルの体内・細胞内動態と安全性との連関研究』で得た独自知見と、これまでの学振科研などで得た『ワクチンの開発情報』をもとに、抗原の粘膜面での安定性・吸収性などを制御できるナノDDS(薬物送達)キャリアの粒子設計を目指すものである。具体的に、医薬品・食品添加物・化粧品基材としても利用されているナノシリカについて、様々な粒子径や表面物性の異なるナノシリカをキャリアとして適用し、物性-動態-ワクチン効果・安全性の連関情報を集積し、これら情報をもとに、抗原を安全かつ効果的に経粘膜吸収させ、免疫担当細胞へと効率よく送達できるナノDDSキャリアの開発を試みてきた。その際、小児・妊婦など、あらゆる世代が安全に使用できるよう、粘膜免疫・自然免疫・抗原特異的な体液性/細胞性免疫を介した感染防御活性(有効性)のみならず、致命的盲点であるワクチンリスクの克服にも着眼し、有効かつ安全な『ナノ粘膜ワクチン』の開発に資する情報収集を図った。 本年度は、ナノDDSキャリアの開発に資する基盤情報の収集・追求を目的に、粒子径の異なる4種類の非晶質ナノシリカ、および2種類のサブミクロンサイズの非晶質シリカを用い、モデル抗原(鶏卵白アルブミン:OVA)と共にマウスへ経鼻投与し、全身性の抗原特異的IgG産生を評価した。その結果、粒子径50 nmの非晶質ナノシリカとOVAを共投与した群において、他の粒子径の非晶質ナノシリカ・非晶質シリカと共処置した群と比較し、抗原特異的IgG、およびIgG1が強く誘導されることが明らかとなった。今後は、昨年度までの結果を踏まえ、「ナノシリカの物性」-「体内・細胞内動態」-「ワクチン効果」の連関解析を図ることで、『最適な抗原送達キャリアとしてのナノシリカ』の探索を進めていく。
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[Presentation] 細胞内におけるナノ粒子の運動性解析2016
Author(s)
平井はるな, 東阪和馬, 青山道彦, 新井由之, 石本里緒, 長野一也, 永井健治, 吉岡靖雄, 堤 康央
Organizer
第43回日本毒性学会学術年会
Place of Presentation
ウインクあいち(愛知県名古屋市)
Year and Date
2016-06-29 – 2016-07-01