2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞内部温度をナノスケールで測定可能な温感性蛍光ナノプローブの開発と評価系の構築
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15K12541
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 耕一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (00436172)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ナノバイオ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の目的は、未だ十分に明らかにされていない、細胞内部の温度測定による細胞内生命活動の熱力学的解明に向けた極めて価値が高く挑戦的な研究課題に取り組むことである。 具体的には、1.単一細胞内部の温度を、ナノスケールの解像度で測定可能な温度応答性蛍光有機ナノ結晶(温感性蛍光ナノプローブ)の研究開発を行う、2.本プローブを細胞内に導入し、共焦点レーザー蛍光顕微鏡と顕微鏡用培養装置のセットアップ下で細胞のリアルタイム蛍光イメージング観察を行う、3.温度依存的な蛍光強度(蛍光像・蛍光スペクトルから取得)を検量線を用いて温度に変換させる。これらのステップにより、単一細胞内部の特に細胞小器官(核、小胞体、ミトコンドリア等)を対象に、ナノスケールの解像度(200 nm程度)で、温度測定に基づいた定量的な熱力学的解析を行うことを目標としている。 特に平成27年度の目標は(1)温感性蛍光ナノプローブの作製および(2)細胞内部のリアルタイム温度測定評価系の構築である。(1)の温感性ナノプローブの作製においては一定の成果を得ているが、(2)に関わる細胞培養下でのリアルタイムイメージングの環境設定・最適化の実施については試行錯誤を要することが考えられるため、まだ十分なレベルではなく引き続き検証を要する段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の目標は(1)温感性蛍光ナノプローブの作製および(2)細胞内部のリアルタイム温度測定評価系の構築である。(1)の温感性ナノプローブの作製においては一定の成果を得ているが、(2)に関わる細胞培養下でのリアルタイムイメージングの環境設定・最適化の実施については試行錯誤を要することが考えられるためまだ十分なレベルではないと考えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度の計画である(3)温感性蛍光ナノプローブを用いた細胞内部のリアルタイム温度測定評価に取り組むが、先立ち、平成27年度の目標である(2)細胞内部のリアルタイム温度測定評価系の構築を先ず確かなものとすべく研究を推進したい。
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Causes of Carryover |
平成27年度の目標は(1)温感性蛍光ナノプローブの作製および(2)細胞内部のリアルタイム温度測定評価系の構築である。(1)の温感性ナノプローブの作製においては一定の成果を得ているが、(2)に関わる細胞培養下でのリアルタイムイメージングの環境設定・最適化の実施については試行錯誤を要すると考えられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の計画である、温感性蛍光ナノプローブを用いた細胞内部のリアルタイム温度測定評価に取り組むが、先立ち、平成27年度の目標である、細胞内部のリアルタイム温度測定評価系の構築を先ず確かなものとすべく研究を推進したい。その評価系の構築に係る物品費の使用を主に計画する。
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