2016 Fiscal Year Annual Research Report
Photo-controlled surface water repellency for smart cell separation system
Project/Area Number |
15K12547
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中山 正道 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00338980)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 光応答性 / フルオロポリマー / スピロベンゾピラン / コーティング / 細胞接着制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
光応答性分子スピロベンゾピラン部位の導入率が異なるフルオロアルキルメタクリレート共重合体を合成し、ガラス基板上に約30nmのスピンコート膜を形成した。UV光/緑色可視光照射により表面疎水性が変化し、基板表面への光応答性の付加が確認された。また、中程度の疎水性を示すUV光照射後の基板表面において細胞接着およびその増殖を確認し、さらに可視光照射により表面疎水性を増加させることで接着細胞の自発的な剥離を実現した。このとき、13 mol%の光応答性モノマーを含有するポリマーにおいて、照射光の波長の違いによる表面接触角の変化と効率の良い細胞の接着・剥離が可能であった。 細胞代謝阻害剤であるアジ化ナトリウムを培地中に共存させることで、細胞の代謝機能が接着・脱着性の及ぼす影響について評価した結果、要する時間は延長するものの細胞剥離は誘起されることから、細胞剥離は細胞代謝と表面-接着タンパク間相互作用の変化による相乗的効果に依存するものと推測された。 次にコンフルエント状態まで培養した細胞群に対して、可視光照射することで細胞をシート状組織として回収することに成功した。回収した細胞シートは基底面側に接着タンパク質であるフィブロネクチンを保持していることが分かった。この細胞シートを免疫不全マウスに皮下移植した結果、生体組織への生着が確認された。 一方、水中でポリマー被覆表面にUV光照射した場合にのみ界面におけるSP基の露出に伴う光応答性が付加できることから、フォトマスクを利用して部位特異的な光応答性細胞パターニングを検討した。その結果、UV光照射した表面のみ細胞培養/回収が可能なマイクロパターン培養を実現することに成功した。
|
Research Products
(3 results)