2016 Fiscal Year Annual Research Report
Controlling of Porous Structures of Scaffolds
Project/Area Number |
15K12548
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
陳 国平 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (50357505)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 再生医工学材料 / 氷微粒子 / 多孔質材料 / コラーゲン / 軟骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、氷の微粒子を結晶核として氷の結晶成長を制御し、形成させた氷晶のネットワークを空孔のテンプレートとして用いることにより、生体組織をより効率よく再生できる、連通性に富んだ空孔構造を有するコラーゲン多孔質足場材料の開発を目的とする。平成28年度は、昨年度に検討した多孔質構造を制御する最適な条件で、開いた表面空孔構造と連通する内部空孔構造を有するコラーゲン多孔質材料を作製した。作製時に、フリーの氷微粒子とコラーゲン水溶液の混合物の中央部にPLGAニットメッシュを挟んだものを凍結することにあり、多孔質構造を制御したPLGA-コラーゲン複合多孔質材料を得た。本複合多孔質材料は高い引張強度を有し、表面空孔は開いて材料内部の空孔は連通していることが電子顕微鏡観察より分かった。本複合多孔質材料を用いてウシ関節軟骨細胞を培養し、多孔質材料における軟骨細胞の分布を調べた。その結果、軟骨細胞は開いた表面孔を通じて多孔質材料の内部空孔に侵入し、三次元的に均一に分布していることが分かった。さらに、培養した細胞/多孔質材料の構造体をヌードマウスの背中皮下に8週間埋植したところ、光沢のある軟骨組織が再生された。組織染色及びII型コラーゲンの免疫染色により、再生組織における軟骨細胞及び軟骨細胞外マトリックスの分布は均一であった。再生された組織に含まれるDNA及びグリコサミノグリカンの含量は移植前と比較して有意に増加した。また、軟骨細胞のマーカー遺伝子であるII型コラーゲンとアグリカンの遺伝子発現レベルをリアルタイム定量PCR法で解析した結果、II型コラーゲンとアグリカンがよく発現していることが分かった。以上の結果より、本複合多孔質材料は均一な軟骨様の組織の再生に有効であることが示された。
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