2015 Fiscal Year Research-status Report
超音波診断装置を用いた気泡の画像化によるワイヤレス圧力センサシステムの基礎的研究
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15K12561
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
桑名 健太 東京電機大学, 工学部, 助教 (00593055)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 圧力センサ / 気泡 / 超音波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、母胎内という外から直接触れることのできない環境にいる胎児の生体情報計測に向け、超音波診断装置を用いた気泡の撮像によるワイヤレス圧力計測システムを提案し、提案システムの実現可能性を評価することを目的とし研究を行っている。超音波診断装置を利用することで、圧力計測部に電源が不要となるうえ、センサの形状を確認しながら情報伝達が可能となるため、情報伝達の確実性が向上する。 本年度は、超音波診断装置による圧力計測原理確認のため、超音波診断装置・テフロンチューブ・シリンジ・圧力計からなる実験系を構築した。撮像対象となる気泡として、市販の超音波造影剤を用いた。テフロンチューブ内を超音波造影剤の懸濁液で満たし、超音波診断装置によりテフロンチューブの画像を取得した。このとき、水をシリンジにより出し入れすることで、テフロンチューブ内の圧力を大気圧に対し、陽圧・陰圧に調整することが可能である。超音波診断装置はテフロンチューブとの位置関係が変わらないよう冶具を用いて固定した。超音波診断装置により撮像したBモード画像を解析したところ、超音波造影剤の造影効果を確認するには至らなかった。また、圧力を印加したのち、カラーフローモード画像を解析したところ、色の変化は見られなかった。 これらの要因として、超音波強度が強すぎたこと、印加する圧力の変化量が小さく周波数シフトが小さかったこと、があげられる。 次年度以降、速やかにこれらの課題に対処し、計測原理確認を行った後、圧力計測部の設計・試作を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超音波診断装置によるテフロンチューブ内の超音波造影剤の撮像がうまくいかず、原理確認に手間取っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
超音波造影剤の撮像がうまくいっていない要因として、造影剤にあたる超音波強度が強すぎたということが考えられる。今後は、超音波診断装置のプローブと計測部の間での超音波の減衰量・プローブと計測部間距離・角度を調整できるよう実験系の改善を行い、引き続き原理確認を行う。このとき、まずは当初の予定より大きな圧力変化を加え、原理確認を行う。原理確認ができ次第、圧力計測部の設計・試作を行う。
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Causes of Carryover |
学会発表を予定していたが思ったような成果が出ず発表するに至らなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の計画通り、旅費として使用する予定である。
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