2017 Fiscal Year Research-status Report
社会報酬操作による運動リハビリテーション効果の促進
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15K12578
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
田中 悟志 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (10545867)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | リハビリテーション / 心理学 / 神経科学 / 報酬 / 学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化社会を迎えたわが国では,脳卒中等に伴う運動機能障害を克服するための有効なリハビリテーション法の確立が急務である。申請者は,運動トレーニング後に褒められる事で運動技能の獲得が促進されることを世界で初めて報告し反響を得た。本研究の目的は,これまでの健常者を対象とした研究成果を発展させ,「褒め」という社会介入が技能の再学習であるリハビリテーションに対しても促進効果を持つかを検討することである。昨年度に実験パラダイムを確立し、倫理委員会の承認を得、またUMIN-CTRに登録したため、本年度は本実験に取り組んだ。東京湾岸リハビリテーション病院に入院中の脳卒中患者を対象とした。 実験では、まず患者が下肢運動負荷トレーニングを5分間実施した。トレーニング中に(1)対象者を褒める条件、(2)対象者と会話する条件、(3)静観する条件の3つの介入条件を用意した。5分のトレーニング後に「自主トレーニングを実施したければ実施してください」と伝えた。自主トレーニングを行った時間を「やる気」の指標とし、主要評価項目とした。副次評価項目は、トレーニング量ややる気の主観評価である。対象者を褒める条件において自主トレーニングを行う時間が有意に延長されるかを検討した。また、患者のうつの程度ややる気の個人差と、課題成績がどのように関係するかも分析対象とする。現在実験データを収集中であり、来年度も引き続き実験を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験対象者の確保に苦労し、実験が終了に至っていない。来年度も引き続き実験データを収集していく。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象者の確保に関して、参加基準が厳しいためかやや苦労している。しかし、すでに実験デザイン等は確立し、後はデータを取るだけなので粛々と進めていきたい。また、学会発表や論文化して研究成果を公表していきたい。
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Causes of Carryover |
実験のデータ収集がやや遅れ、実験成果の公表に関する学会発表や論文発表を行わなかったために、次年度使用額が生じた。翌年度の研究計画としては、学会参加および論文発表に関わる経費に使用する予定である。
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