2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K12583
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒木 裕士 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20170110)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超音波 / 関節軟骨 / 間葉系間質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
代表者らはこれまでに低出力超音波パルス(LIPUS)による治療はMMP-13(コラーゲン分解酵素)のメッセンジャRNA発現を抑制することによって関節軟骨に対する保護効果が期待できることなどを明らかにしてきた。 このLIPUS照射は間葉系間質細胞(MSC)の骨・軟骨分化を促進させることが報告されている。そこで本課題では、細胞治療とLIPUS照射の併用が欠損した軟骨の再生に影響を及ぼすかを検討した。 8週齢Wistar系ラットの両側大腿骨滑車部に骨軟骨欠損を作成し、4週間の自由飼育後、LIPUS照射の有無および膝関節内へのMSC注入の有無により、対照群、LIPUS群、MSC群、LIPUS+MSC(MSCL)群の4群を設けた。LIPUSは骨折治療に用いられる設定を使用し、週5回、1日20分照射した。介入開始から4週後、膝関節を摘出し、Wakitaniの軟骨修復スコアおよびII型コラーゲンの免疫組織化学染色を用いて評価した。 介入開始から4週後、対照群の欠損部は非硝子軟骨様の組織で覆われていた。LIPUS群およびMSC群、MSCL群の3群にはスコアの改善が見られたが、3群の間には著明な差は見られなかった。LIPUS群とMSCL群ではMSC群に比べて修復組織にII型コラーゲンの広範な発現が見られた。 MSCの関節内注入およびLIPUSの刺激により、関節軟骨の修復が促される可能性が示唆された。その一方で、今回のin vivo研究においては細胞治療とLIPUS照射の併用による軟骨再生への相乗効果は限定的であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究が当初予定通り進捗して研究成果を国際会議で発表し、現在は、国際学術誌に投稿する段階まで進捗したため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでどおり研究を推進する。
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Causes of Carryover |
526円を次年度に繰り越して有効に使用するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画と大きな差は生じない。
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Research Products
(2 results)