2017 Fiscal Year Annual Research Report
Electrophysiological inspection of improvement of somatic hyperalgesia and gastrointestinal paresthesia by physical exercise
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15K12586
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
小川 豊太 (濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田山 淳 長崎大学, 教育学部, 准教授 (10468324)
原 元彦 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (30386007)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 生活習慣 / 運動療法 / 感作 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)の体性知覚過敏には脊髄神経の過興奮性と中枢神経系調節,感作現象が密接に関連していると考えられる.これまでの研究により,骨格筋の運動によりIBSの知覚過敏が改善することが明らかにされていた.本研究はIBS有症状者にみられる運動時の体性知覚過敏が継続的な運動によって消化器症状の改善と伴に変化することを検証した. IBS有症状者18名と無症状者10名を対象に,2週間の運動介入を実施させ,歩行量と消化器症状ならびに腹部知覚閾値の刺激によるSomatosensory Evoked Potentials: SEPを調査して検証した.SEPを運動実施率によるを運動実施率による群(高群,低群,無症状群)と時期(4週間の運動介入前,4週間の運動介入後)の二元配置分散分析を行ったところ,SEPは介入前のIBS運動実施率高群は無症状群より高かった(P=0.04).無症状群のSEPはIBS運動実施率低群と差がなかった(P=0.20).IBS運動実施率高群はIBS運動実施率低群より高かった(P<0.01).介入後のIBS運動実施率高群はIBS運動実施率低群より高かった(P=0.04).IBS有症状者のうち2週間の運動量が高ければ脱感作が生じるという仮説は棄却された. 平成29年度は,消化器症状(GSRS)を時期(4週間の運動介入前と介入後)と群(無症状群,IBS-SEP高群,IBS-SEP低群)で比較した結果,交互作用はみられなかった(P=0.42).消化器症状(GSRS)を群(無症状群,IBS-SEP高群,IBS-SEP低群)で比較した結果,無症状群とIBS-SEP高群には群による主効果が認められた(P=0.01).多重比較検定により,無症状群よりIBS-SEP高群で有意に高い値を示した(P=0.010). IBS有症状者のSEPは末梢感覚受容器と脊髄,脳内感覚情報処理ネットワークの解析により明らかにされている.この研究結果より,継続的な運動によりIBSの消化器症状が改善し,体性知覚過敏が減弱することが明らかになった.
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Research Products
(5 results)