2015 Fiscal Year Research-status Report
直線偏光近赤外線レーザー照射による新規呼吸リハビリテーションの開発
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15K12588
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
海老原 覚 東邦大学, 医学部, 教授 (90323013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 栄 東邦大学, 医学部, 教授 (20190275)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 咳反射 / 咳衝動 / 直線偏光近赤外線レーザー照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は直線偏光近赤外線レーザー照射が咳反射感受性に与える影響について、健常成人において研究した。咳反射感受性測定は、安静換気の下で超音波ネブライザーを用い、霧状にしたクエン酸溶液にて実施した。クエン酸溶液は、クエン酸一水和物を生理食塩水によって希釈し、0.7から360 g/Lまでの2倍の漸増濃度を使用した。対象者は、5回またはそれ以上咳が出るまでクエン酸溶液の漸増した濃度を吸入した。咳反射閾値は1分間の吸入中に2回もしくはそれ以上咳が誘発されたクエン酸最低濃度(C2)と5回以上咳が誘発された最低濃度(C5)の双方で定義した。咳衝動の評価は、各濃度のクエン酸溶液をネブライザーで吸入し終えた直後に修正ボルグスケールを用いて行った。スケールは、全く咳をしなくていい(スケール0)から最大限咳をしたい(スケール10)までの範囲のものを使用した。咳衝動のスケールは、対象者の前に配置し数値を指さしてもらい、検査者が記録した。咳衝動の強さを評価するため、対象者には息切れや喉のヒリヒリ感などの感覚は無視するように指示した。咳嗽が惹起されずに咳衝動が誘発されたクエン酸溶液の最低濃度をCuと定義した。直線偏光近赤外線レーザー照射はスーパーライザーPXを用い、検査日2日(3日以上あける)のうちランダムにどちらか一日を直線偏光近赤外線レーザー照射を行ってから咳反射感受性・咳衝動を測定するようにし、もう一日はなにもしないで咳反射感受性・咳衝動を測定するようにした。 現在までのところ約28人にこの測定を行い有意な結果が出ている。また、文献的に咳嗽が出なくなる病態を考察し総説としてまとめた。そのことより、誤嚥性肺炎に適切な抗誤嚥薬などが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
被験者が順調にリクルートされ、滞りなく研究が進んでいる。当初懸念された直線偏光近赤外線レーザー照射の部位も初めに設定した部位が有効に作用し効果を表している。全体として順調に研究が進むものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では気道内の好酸球性の炎症指標とされるFeNOについて調べていない。潜在的な喘息に罹患している健常者をピックアップするために重要と思われ、FeNO測定を今後の測定項目に追加するといいかもしれない。健常者にて効果をもたらす照射部位や照射時間を確定した後、慢性呼吸器疾患患者にて直線偏光近赤外線レーザー照射を効果を調べる研究に進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究計画にて赤外線サーモグラフィーを買う予定であったが、交付額の削減により本年度は買えなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記理由により、次年度にそのための金額を繰越、次年度の予算と合わせて購入する算段である。しかし、研究の進行とともに赤外線サーモグラフィーがなくても研究が終了する場合があり、その際はデータ整理のための人件費などに充てる予定である。
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