2017 Fiscal Year Annual Research Report
Developing a neuro-imaging diagnostic method for patients after stroke with neglect syndromes
Project/Area Number |
15K12590
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
小山 哲男 兵庫医科大学, 医学部, 特別招聘教授 (40538237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道免 和久 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50207685)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 予後 / 脳画像 / 拡散テンソル法MRI / 無視 / 麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中は罹患率が高く、また上下肢機能や認知機能に障害を残すことが多いため、要介護状態の原因疾患の第1位(18.5%)を占めている(厚生労働省 平成25年 国民生活基礎調査の概況)。上下肢機能の主要な障害は片麻痺である。一方、認知機能の主要な障害は、左大脳半球病巣の場合、言葉を理解して話すことができないこと(失語)、道具を上手に使いこなせないこと(失行)である。右大脳半球病巣の場合、「無視症候群(無視症状)」である。これは患者の身体周囲の空間(半側空間無視)、患者の身体、あるいは自らが麻痺等の症状を持っていることに注意が及ばない症状であり、しばしば機能回復のためのリハビリテーションの妨げとなる。本研究の目的は、拡散テンソル法MRI画像(DTI)のFractional Anistropy(FA)値により脳内神経線維の損傷を定量化して無視症候群との関連を検討し、障害診断の基礎的知見とすることである。前年度までの研究進捗により、脳の前後を連結する主要な神経線維の1つである上縦束の神経損傷が、認知機能の障害と深く関わることが明らかとなった。具体的には、(1)左半球の上縦束の一部(弓状束)の神経損傷が失語症と関連すること、(2)左右半球を問わず、上縦束の神経損傷が日常生活動作全般の認知能力の指標である Functional Independence Measure(FIM)認知項目合計点の低下と関連すること、の2点である。本年度、本研究の最終的な目的である無視症候群と脳内神経線維損傷(FA値の低下)の関連を解析した。右半球病巣の患者で、無視を伴う群と伴わない群のDTI-FA脳画像の2群間比較を行った結果、上縦束を始めとする脳の内部を前後方向に結合する神経線維が無視症候群と関連することが示された。
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Research Products
(3 results)