2015 Fiscal Year Research-status Report
軽度認知障害高齢者の視機能低下が運転技能に与える影響―補足眼野から読み解く―
Project/Area Number |
15K12593
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
堤本 広大 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 予防老年学研究部, 研究員 (70633189)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 軽度認知障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)を有する高齢ドライバーは、増加傾向にあるものの、その安全運転能力に関する情報が不足している。MCI高齢者においては、認知機能はもちろんのこと視機能も低下することが報告されており、安全運転に不可欠な機能の低下が生じていると考えられる。しかし、安易な運転中止は活動制限を招き、認知症発症リスクの上昇にもなりため、MCIドライバーのどのような機能が低下することが運転技能低下と関連するのかを検討することで、運転寿命を延伸させるヒントをつかむことが重要である。とくに視機能については、脳画像指標を用いて脳構造変化との関係性も検討する。縦断的な追跡調査を合わせて実施し、交通事故・違反の発生とベースラインの機能低下との関連についても検討することを本研究の目的とする。当該年度においては、所属機関において高齢者大規模機能健診を実施し、1852名の受診者の内、186名のMCIドライバーの抽出に成功した。 抽出された186名のMCIドライバーの内、研究に対する同意が得られた138名に対して、研究計画の通り、視機能評価(視力、コントラスト感度、深視力、視野、動体視力)・運動機能評価(握力、歩行速度)・認知機能評価(Mini-Mental State Examination、Trail Making Test, Symbol Digit Substitution test)・実車運転技能評価・MRI脳画像指標測定を実施した。それらの得られたデータに関しては、統計解析を実施するため、データ処理および修正作業を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、本研究事業は当初の計画から外れることなく順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
既に進行中ではあるが、当該年度において横断調査終了した対象者に対して、研究期間内で最長観察日まで、追跡調査を実施する。実測項目は交通事故・違反および運転行動の変化(運転中止、運転頻度の低下、運転に対するエフィカシー低下、ヒヤリ・ハットなど)の聴取を行う。また、引き続いて対象者数確保するため、高齢者大規模機能健診を実施し、それらの受診者よりMCIドライバーを抽出して、横断調査を実施していく予定である。
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[Presentation] 堤本広大, 土井剛彦, 牧迫飛雄馬, 堀田亮, 中窪翔, 李相侖, 李成喆, 裵成琉, 原田和弘, 原田健次, 島田裕之. 歩行速度低下とうつ傾向の組み合わせによって将来の要介護発生リスクが増大する ―大規模コホートによる 33 か月間の前向き調査―2015
Author(s)
堤本広大, 土井剛彦, 牧迫飛雄馬, 堀田亮, 中窪翔, 李相侖, 李成喆, 裵成琉, 原田和弘, 原田健次, 島田裕之
Organizer
第50回日本理学療法学術大会
Place of Presentation
東京
Year and Date
2015-06-05 – 2015-06-07
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