2017 Fiscal Year Research-status Report
認知機能障害による2次介護予防対象者への、新しい評価法の検証と訓練の有用性調査
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15K12599
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石田 健司 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (10274367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中平 真矢 高知大学, 医学部附属病院, 言語聴覚士 (10748817)
永野 靖典 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (30380372)
町田 佐和 高知大学, 医学部附属病院, 作業療法士 (80771352)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コグニスタット / 長谷川式簡易知能評価(HDS-R) / MMSE / 軽度認知障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
高知県室戸市と宮城県栗原市において、介護予防事業で「2次介護予防対象者」の方に、コグニスタットという認知機能評価法を導入した。長谷川式簡易知能評価(以下HDS-R)やMini-Mental State Examination(以下MMSE)は、評価項目が合算された点数によって認知機能の評価をするが、コグニスタットは認知機能が持つ見当識・注意・言語(理解・復唱・呼称)・構成・記憶・計算・推理(類似・判断)の項目について、それぞれに障害の程度を評価できる。そのため訓練するべき分野や訓練効果が明確になり、軽度認知障害の進行予防や改善に期待が持て、地域での介護予防の成果向上に繋がると考えたからである。 平成27年度(1年目)には、高知県室戸市の2次介護予防対象者の方に案内を出し、6名の方に同意が得られ最終評価が可能であった。コグニスタットは、注意で向上2例、見当識、記憶で、それぞれ1例ずつが向上、残りは不変であった。 平成28年度(2年目)は、宮城県栗原市においても同様に、2次介護予防事業の1つとして評価を8名に行った。コグニスタットは、注意で向上1例、記憶2例、計算2例が向上、残りは不変であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29年度も同様に、介護予防事業での導入を計画していたが、介護予防制度の改正により、新しい「介護予防・日常生活支援事業総合事業」が高知県室戸市と宮城県栗原市の両市でスタートした。そのため、これまで行ってきた2次介護予防としての運用が困難となった。 訓練成果のデータを集積するためには、より多くの対象者を集める必要があり、この1年間(平成29年度)は2市との今後の運用に関して調整を行った。 結果、室戸市は介護2次予防事業から完全に撤退することとなった。栗原市は、介護予防事業とは別に、若柳地区で行うこととなった。
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Strategy for Future Research Activity |
宮城県栗原市若柳地区で、介護予防事業とは別に本研究を行うことが可能となった。若柳地区は人口約12,000人で、これまで社会福祉協議会の方たちと共に、同地区の介護予防事業に積極的に取り組んできた地区である。今後は、社会福祉協議会の協力の基に運用を進めていく。 若柳地区は40行政地区に分れ、それぞれに区長が選出されている。そのうちの15行政地区は地区のまとまりが非常に良く、介護予防事業にも熱心に取り組まれてきた実績がある。その地区長の協力の基に、参加希望者を各地区3~5人程度募る計画をしている。
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Causes of Carryover |
平成29年度も介護予防事業の一環として本研究を計画していたが、介護予防制度改正により、これまで通りの2次介護予防事業での運用が困難となった。そのため、2市と今後の運用に関し調整を行ったが、室戸市については平成30年度は介護2次予防事業から完全撤退することになった。栗原市とは調整を重ね、介護予防事業とは別に、栗原市若柳地区(人口約1万2千人)で、地域住民の希望者に本研究を行うことになった。若柳(40行政)地区のうち、15行政地区は纏まりが良く、介護予防事業にも熱心である。その地区長の協力の基、本研究計画を理解した参加希望者を、各地区2~5人程度募る計画である。 使用計画は、1.謝金:①訓練参加者 250,000円(5,000円×50名)、②訓練・評価補助(地区長、副地区長)150,000円(1,000円×30名×5回)③訓練・評価補助(運動指導員)360,000円(500円×30名×24回) 2.旅費:本研究説明会、訓練開始時、訓練終了評価時の旅費 450,000円(高知-栗原 5回)、情報収集、学会発表費用 400,000円 3.在宅訓練用パンフレット作成費:150,000円(3,000円×50部)、会議費:30,000円(2,000円×30名×5回)、消耗品:205,000円(訓練用計算ドリルや構成訓練用パズル、インク等)
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